アイルランドの総決算と言えるレース「愛チャンピオンS(G1、芝2000m)」が14日、レパーズタウン競馬場で行われる。2015年の凱旋門賞を制したゴールデンホーン、2016年の勝ち馬ファウンド、同2着のハイランドリールなどこのレースから凱旋門賞へと向かって好走している馬も多く、凱旋門賞のステップとしても有力な一戦だ。
今回日本からはディアドラ(牝5、橋田厩舎)が参戦。前走はイギリスのグッドウッド競馬場で行われたG1、ナッソーSに出走し、見事に勝利した。グッドウッド競馬場はかなり芝が深くて坂の高低差もかなりあるタフな競馬場だったが、レパーズタウン競馬場は勾配はあるがグッドウッド競馬場に比べれば大きなものではなく、タフさはやや軽減される。
ただ、最終コーナーからゴールまでは約400mと長めで、最終コーナーの途中から上り坂が始まり、直線の残り200mでもう一段上る形になる。最後の坂ではパワーやスタミナも求められるが、スピード能力の方が問われる印象が強い。
前走は深い欧州の芝でこそというハービンジャー産駒の適性がハマった印象もあるし、ナッソーSのレースレベルも驚くほど高いというわけでもない。今回はクリスタルオーシャンやマジカルといった海外の猛者が揃っており、一気にレースレベルが上がる。適性だけではなく、前走以上のパフォーマンスが求められるのは確かだ。
とは言え、エンジンがかかった時のスピードの持続力は非凡で、このスピード能力の高さは今回の舞台でも生きる可能性は高い。最近はめっきり海外レースが主戦場となったディアドラ。海外で走り続けることで馬も欧州仕様になっていっている可能性は高い。相手は揃っているが、前走の勢いのままここも激走に期待したい。