6月5日(日)は東京で「第66回安田記念」が開催されます。昨年はモーリスが怒涛の4連勝を果たして優勝、一昨年はドバイデューティフリーで圧勝を飾ったジャスタウェイが差し切り勝ちを収めました。
今年も連覇を狙うモーリスが出走予定となっており、マイルのG1を4連勝して波にノッている今はもはやマイル路線で敵なしといった状態です。これの対抗馬として有力視されているのが前走ドバイターフを優勝したリアルスティールです。IFHA(国際競馬統括機関連盟)から発表された「ロンジンワールドベストレースホースランキング」では8位にランクインし、一躍世界で注目される馬となりました。
福永騎手、ドバイターフではリアルスティールに勝ってほしくなかった?
これまで福永祐一騎手を主戦騎手として国内のレースで頑張ってきましたが、新馬戦とデビュー2戦目の共同通信杯を制して以降、2着4回、3着1回と勝ちきれないレースが続いておりました。ドバイターフではR.ムーア騎手が手綱を握っており、馬を久しぶりの1位入線に導いたことで主戦騎手である福永騎手の騎乗に不安がる人も少なくないようです。とくに彼がドバイターフで勝ったリアルスティールに対するコメントが多くの波紋を呼んでおります。
今年の高松宮記念でビッグアーサーを勝利に導いた際のインタビューで、「スタートさえうまく出ればいい競馬ができると思っていた。今後はこの馬が短距離界を引っ張ると思う。リアルスティールが勝ち、落ち込んでいたが、元気をもらった」とコメントしているのですが、問題となっているのは「リアルスティールが勝って落ち込んでいる」という部分。自分の乗馬が別の騎手で勝たれて悔しいという気持ちは理解できますが、「あまりに自己中心的なコメント」「悔しいのはわかるけどそれは言っちゃダメでしょ」「リアルスティールに負けて欲しかったのか?」などとインターネットの某掲示板では非難が殺到。「正直なコメントでいい」と擁護する声もありますが、馬主や調教師やその他関係者からすればあまり良く思われないようなコメントであることも確かです。
福永騎手のコメントを心理学的に分析により、強い嫉妬心が明らかに
上記で悔しいという気持ちによるコメントと記しましたが、心理的にはどちらかと言うと悔しいがる気持ちよりも嫉妬心の方が強く窺えます。悔しがる場合はそれをバネにして次につなげるというプラス思考的な考えができますが、福永騎手の「落ち込んでいる」というコメントからして悔しいとは違うことがわかります。嫉妬の場合は嫉妬したあとに落ち込む傾向があり、これは人のもつ自然な感情の一つです。
嫉妬心は基本的に劣等感からくるもので、自分に自信が無い人に多く見られる心情です。他人と比較して自分はどうかということにとらわれやすく、福永騎手のこのコメントはリアルスティールの手綱を握ったムーア騎手と比較したことで生まれた嫉妬心からきたコメントであると考えた方がしっくりきます。
さて、安田記念では福永騎手へ手綱が戻りますが、悔しいという気持ちを抱いているなら騎手としての成長が見込めますが、嫉妬心である以上は低い評価をせざるを得ません。馬は2000mという距離は初めてですし遠征後の疲れなども気になりますが、ドバイターフを外から見ていた福永騎手が安田記念でどう乗るのかというところにも注目したいと思います。