私が、某大手スポーツ新聞社で働いていた時のこと。競馬担当だと馬券代がなかなか持たない人間が続出する。実際にダンゴ(印)を打った馬でで3連単100万円クラスの馬券が当たっているのに、実は違う馬を軸に買っていた同僚も多かった。
この職業で馬券代をセーブするのは難しい。昼食代金を神田川のうな重を食べるか?そばを食べるか?ここくらいしか節約は出来ないそうは言ってもうな重は3000円。そばは500円。それでも2500円しか浮かない厳しい現実が常にあった。
私は当時独身だった為、生活が出来るお金と定期預金をロスなく入れられるお金があれば十分だった。平日は仕事が終わるのが普通のサラリーマンより早い。美浦に行けば3時にはもうやることはなく、寮に戻るのだが、同僚からパチンコのお誘いという悪魔のささやきが待っている。トレセン周辺のパチンコ屋さんは競馬関係者も多い。
そんな時、よくパチンコ屋で鉢合わせになるのが田中勝春騎手。いつも勝っているイメージがあった。それを本人に坊主丸儲けじゃないですか?と言うと「競馬で勝てないから、ここで稼がないと」と、いつも面白い事を言ってくれる。そして、よく食事に田中勝春騎手とはいったのが懐かしい。皆さんが思っているより性格はかなり明るくお酒も強い。私はお酒が全く飲めないので、田中勝春騎手がいつも冗談で「アクエリアスボトルキープで」と、注文を聞きに来る店員に言うのがいかにも田中勝春騎手らしい。
人間性は非常に明るく、親しみやすい人。皆さんが思っている通りの人。その為、田中勝春騎手の騎乗馬にはどんなに勝ち目がなかろうが△は友情馬券打っていた。たまに激走し大儲けさせてくれるジョッキーであった。