以前は、ジョッキー時代に1000勝以上あげていれば、難関の1次試験は免除され、普通にしていれば先ず問題がない面接試験だけの1000勝特権というものがあった。しかし、現在は1000勝特権がなくなり、仮に武豊騎手が引退し、調教師になろうとしても難関の1次試験から受けなければならない。
調教師試験はかなりの難関と言える。東大に入るよりも難しいとは言わないが、感覚的にそれに近いものはあると思う。いずれ1000勝特権はなくなるとは、以前から言われていた事なので、特権があるうちに調教師に転身してしまったジョッキーは先を見据え賢い選択をしたということになる。ジョッキーは基本的に勉強は苦手。競馬学校を卒業し、デビュー1年目のジョッキーなどは、まだ勉強は得意な部類に入る。しかし、騎手デビューしてしまうと勉強することが無くなってしまう。デビュー1年目の騎手がいきなり調教師試験を受ける事は100%ない。
最近は、調教師を目指すジョッキーは騎乗数を減らし、その分少しでも多く調教師試験に合格する為の時間に充てている。これはある1000勝を軽々超えているジョッキーが言った偽りのない本音の言葉。「勉強なんて競馬学校以来していないよ。1000勝特権がないのは正直痛い。調教師は無理だろうなあ・・・」現役の騎手も1000勝特権が無くなったのは痛いと口を揃えて語る。
如何に1000勝特権が調教師転身をするのに非常に大きなアドバンテージだったがよくわかる。今後も、調教師に転身するジョッキーは猛勉強をしなければならない。一夜漬けで受かるほど甘いものではない。