先日の安田記念(G1・芝1600m)では、絶対王者と目されたG1・4連勝を含む7連勝中のモーリスに実に2年ぶりに土がつきました。
安田記念前までのモーリスの展望としては、国内外問わず、マイルにもはや敵なし。今後は距離延長、ひいては日本競馬界悲願の凱旋門賞を目指すことになるとされていましたが、今回の敗戦により白紙となることが決定されました。
モーリス同様に香港国際競走から海外連勝中のエイシンヒカリと合わせて非常に楽しみな挑戦となりそうだっただけに残念極まりないですが、2着になっただけであまりにも絶望視し過ぎではないかという気もします。問題点はやはり鞍上乗り替わりの激しさではないでしょうか。
勝ったロゴタイプの鞍上田辺騎手の作戦が見事にハマり、騎手の力を見せつけたレースの好例となりそうな展開でしたが、反面では絶対王者も折り合いが付かないままでは盤石ではいられないということも示しました。それでは、絶対王者に信頼の置けるパートナーがいたならばどうだったでしょうか?
日本調教馬から初めての凱旋門賞挑戦となった1969年スピードシンボリから今年で47年目。その間、幾度も時代に名を残す名馬たちが破れてきた高き門への挑戦を、不安要素だらけの敗戦一つで諦めてしまうのは、寂しい気もしますし、こういった事態を想定していないまま凱旋門挑戦を掲げていたのだとしたら、少々虫が良すぎたとも言えます。