24日に東京競馬場で行われる「ジャパンカップ」に予備登録していた外国馬全てが来日しないことが明らかになりました。9日、JRAが公式ホームページで発表しました。外国馬は、アイルランドから7頭、イギリスから5頭、フランスから1頭、ドイツから1頭、アメリカから4頭、オーストラリアから9頭の計27頭が予備登録をしておりましたが、全ての外国馬が来日を取りやめる結果となりました。
近年は実績的にも足りてない印象が強い外国馬が数頭参戦するといったパターンがお決まりになってきたジャパンカップ。今年はついにそんな馬たちすら参戦しなくなり、ジャパンカップ史上初となる“外国馬ゼロ”での開催が確定しました。1着賞金3億円という賞金額は世界的に見ても魅力的だと思いますが、なぜここまで有力外国馬による参戦が減少したのでしょうか?
近年の「高速馬場化」が原因か?
普段から使用している特殊馬装具が日本では使用できなかったり、競走馬の状態を理由に取りやめる馬もおりましたが、国内の競馬ファンの間では日本特有の「高速馬場」が理由であると指摘する声も多いです。
日本の競走馬が欧州の競馬などに出走する際は欧州の柔らかくて重たい馬場の適性が問われることになりますが、外国馬にとっては当然ですが逆に日本の硬くて速い馬場への適性が問われることになります。近年東京競馬場では非常に速いタイムが次々に出ており、今年も多くのレコード決着が見られました。極端な高速馬場化が目立っている今年はとくに外国勢にとって懸念材料となっていると考えてもおかしくないでしょう。
実際、昨年のジャパンカップに出走して10着に敗れたイギリス馬のサンダリングブルーを管理するD.ムニュイジエ調教師は、レース後に自身のツイッターで「馬場あまりにも速すぎました。彼の好みではありませんでした。」とコメントしており、硬すぎる馬場が敗因であることを明かしました。
また、イギリスの馬主で起業家のA.ブラック氏も、自身のツイッターで「(ジャパンカップは)岩のように堅い馬場のせいで魅力が感じられない。」とコメントしており、他にも、ドイツの競馬情報サイト「pferderennen international」ではジャパンカップのレース・プレビューで「異常に堅い馬場」と紹介されるなど、日本の堅い馬場を敬遠する声が少なくありません。
日本の競走馬が日本で大活躍することで競馬が盛り上がるのは非常に良いことではありますが、近年は日本の馬も海外へ積極的に挑戦しており、実績を残し始めてきております。最近は世界の有名なレースが購入できるシステムやインフラも整備されてきており、気軽に海外レースを購入して楽しむことができるようになりました。日本の馬が海外で活躍することで日本の競馬が盛り上がることと同様に、海外の強い馬が日本のレースへ積極的に参戦してくるようになれば、日本の競馬はさらに盛り上がっていくのではないでしょうか。
そんな中で、海外の競走馬を交えて行われる代表的な国際招待競走であるジャパンカップに、外国馬の参戦が“ゼロ”というのは一競馬ファンとして非常に寂しい限りです。これは馬場造園課だけの問題ではなくJRAという組織全体の課題であると感じますが、ジャパンカップ創設39年目にして初めて起こったこの不名誉な事態を、今後の糧にしてもらいたいです。