年末の有馬記念と並ぶ1着賞金3億円という国内最高のレース「ジャパンカップ」がいよいよ開催される。毎年どんな海外馬が参戦するのか楽しみにしているファンも少なくないと思うが、今年はジャパンカップ創設以来初となる“海外馬ゼロ”での開催となった。かつては外国勢が半分近く占めていたあった人気のレースだったが、今年は国内勢だけで楽しむことになりそうだ。さて、今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみたので、各馬を考察してみたいと思う。
ワグネリアン(牡4、友道康夫厩舎)
言わずとしれた昨年のダービー馬、ワグネリアン。前走の天皇賞秋では5着に敗れたが、3~4コーナーをロスなく回って早めに動いていくロングスパートと理想的な競馬をしてくれた。前走は控えて後方から競馬を進めたが、ダービーや2走前の札幌記念の時のように、前目の良い位置から競馬をすることもできる。同じ東京芝2400mのコースのダービーではある程度前目に付けて、直線ではもうひと伸びしてみせた。古馬になってからは勝ちきれていないが、大きくは崩れない安定感は健在。東京は3戦2勝と特に得意で、かつて日本一となった舞台で再び返り咲くか。
ユーキャンスマイル(牡4、友道康夫厩舎)
菊花賞・3着や、ダイヤモンドS優勝といったように3000m以上の長距離戦線で活躍しているユーキャンスマイル。しかし9月の新潟記念を優勝し、前走の天皇賞秋でも4着に善戦し、近2戦は2000mでも活躍。得意の左回りで(3-0-0-1)、距離延長もプラス材料で、33秒の末脚をコンスタントに出せるのもここでは強みになる。好材料が多く揃っており、初のG1制覇があっても不思議ではない。前走の天皇賞秋は後方から控えて進め、直線序盤で追い出されて伸びるが、届かず4着に敗れた。ただ、末脚は堅実だし、前走以上に前の位置に付ければ今度は届く可能性は高い。鞍上の岩田騎手にも積極的な競馬が求められる。
レイデオロ(牡5、藤沢和雄厩舎)
一昨年2017年のダービー馬のレイデオロは今回二度目のジャパンカップ参戦。ダービーを制した2017年に出走し、2着に善戦している。しかし、5歳となった今年は初戦のドバイシーマCで6着に敗れ、続く宝塚記念でも5着、前走のオールカマーでも4着とおろそろ衰えが見え始めてきているという声も最近は聞くようになった。前走はラスト3Fの勝負となり、この馬にとっては厳しい競馬だった。天皇賞秋をパスしてきており、ここはメイチ仕上げで来る可能性は高く、前走から斤量1キロ減、叩き2戦目と好条件も揃っている。復活Vに期待がかかる。
他にも、昨年の大阪杯を優勝しジャパンCでも3着に善戦したスワーヴリチャードや、今年オークスを勝ったラヴズオンリーユーなど、G1馬が多数揃った。ジャパンカップは11月24日(日)に東京競馬場の第11Rで実施。発走時間は15時40分の予定。