北海道シリーズ初週に行われる重賞、函館スプリントステークス。洋芝巧者が揃う一戦で、過去の勝ち馬にはドリームバレンチノやカレンチャン、キンシャサノキセキなどのG1馬が名を連ねており、スプリントの出世レースと言っても過言ではないレース。今年もフルゲート16頭で熱い戦いが予想され、昨年の覇者ティーハーフや軽斤量の3歳馬ソルヴェイグ、オデュッセウスに注目が集まる。また、開幕週の馬場状態を考えると基本的には内枠の逃げ馬、先行馬が有利な状況が推測できる。よって、シルクロードS2着の逃げ馬ローレルベローチェや高松宮記念4着で2歳時の洋芝で2戦2勝のアクティブミノルも要注意の存在と言えるだろう。その中で今回は、穴馬として最も注目すべき存在であるレッツゴードンキ1頭に焦点を当てて解説していきたいと思う。ぜひ、予想の参考にして頂きたい。
まず、レッツゴードンキは言わずもがな3歳時の桜花賞で後続勢を突き放す圧勝劇で、G1を制覇。また、阪神JF2着や牡馬に混じったG1のマイルCSで6着に健闘し、世代を超えた活躍をしている。しかし、ここ2走は8, 10着と大きく崩れた結果で、特に前走に関しては全く見所のない内容であった。そのような中で果たして、この馬がスプリント路線を専門にする昨年の覇者ティーハーフや斤量の軽い3歳勢と張り合えるのだろうか?
答えはもちろん「YES」であるが、その理由を以下の3点取り上げて順に追って解説したい。その3点とは、①1200m・スプリント路線の適性。②北海道シリーズ・洋芝・重馬場の適性。③吉田隼人騎手への乗り替わりである。まず、1点目の1200mへの距離適性であるが、マイル戦にしては流れた前走のヴィクトリアマイルですら折り合いを欠いていたように、今のレッツゴードンキの状態を考えれば、マイルの距離は持たない。また、2走前の高松宮記念や3走前の阪急杯でもやや掛かり気味で、理想は早い流れのスプリント戦。さらに、2走前の高松宮記念は直線での不利と進路取りのミスがあった事を考えれば悪くない8着。そして、明確な逃げ馬のいる小回りでの1200mにおけるレースは最高の舞台で、今回こそ真の力が発揮されるだろう。
次に、2点目の洋芝・重馬場への適性であるが、2歳時の札幌2歳Sで全て12秒台前半のラップを刻んだ中、外目先行から3着に健闘。そのレースで不利があったと言えども10着に敗れたスワーヴジョージが後に1000万条件を勝利。さらに、7着のミッキーユニバースも好メンバーの1000万で4着している点から考えても、札幌2歳Sは相当高いレベルにあったと言える。そして、その中で距離適性範囲外にも関わらず、一番良い内容の3着だったレッツゴードンキは間違いなく重賞級で、距離適性範囲内の今回は勝ち負けになるはずだ。最後の3点目、吉田隼人騎手への乗り替わりであるが、今まで主戦騎手を務めていた岩田騎手はどちらかと言えば当たりが強いタイプで、折り合い面に不安が出てきた今のレッツゴードンキとは手が合っていない。一方で、吉田隼人騎手は当たりが柔らかく、札幌2歳Sの時も上手く乗れていた。また、馬群を割る騎乗も得意なタイプなので、例え内枠を引いて中団から運ぶ形となったとしても問題なさそうである。(追記:2016年6月17日、レッツゴードンキは1枠1番)
以上、レッツゴードンキの買える要素を3点取り上げて、詳しく解説した。もちろん、ティーハーフやローレルベローチェ、オメガヴェンデッタなども評価しているが、イマイチパンチが足りない印象を持っている。また、レッツゴードンキが想像以上に人気を落としそうで、今回が格好の狙い目と言える。言わずもがな、枠や土曜日の馬場状態にも左右されるが、現時点では本命最有力候補の1頭で、理想は内枠を引いて中団やや前の7番手辺りの競馬である。ゆえに、読者の方にはぜひ枠順に注目して頂きたい。(追記:2016年6月17日、理想通り内枠を引いたレッツゴードンキに期待がかかる)