いよいよ今週は一年の締めくくりとなるグランプリ「有馬記念」が開催です。ホープフルステークスのG1昇格に伴い、来週もまた開催がありますが、ここを大一番として気を引き締めている競馬ファンは非常に多いことでしょう。また、注意しておきたいのは一昨年、昨年に続き今年も有馬記念は日曜11Rでの開催という点。手癖で10Rにマークしてしまったという嘆きは少なからず耳に入って来ています。三年目になるのでベテランファンの方も慣れてきたことかと思いますが、中山・阪神競馬場、ウインズ札幌・後楽園・新宿・梅田・難波では来年2月から全国で導入される「G1カード」が先立って用意されています。G1カードは予め定められたレースのみ購入できるマークカードになっているため、有馬記念だけ楽しみたいという方で導入済み会場へ行かれる方はこちらを利用してみるのも良いかもしれませんね。
さて、レースの方はプレレーティング124、牝馬にして現役最強馬の呼び声高いアーモンドアイに注目が集まります。ここを勝利すれば史上7頭目のJRA+海外G1・7勝馬となり、シンボリルドルフ、ディープインパクトに続き4歳での達成となり、来年8勝以降も大いに期待できるため競馬業界の盛り上がりという意味では勝ってもらいたい1頭とも言えます。
地力での最上位は疑う余地のないところですが、懸念されるのは東京競馬場での成績に偏っており、中山競馬場は初参戦となる点でしょう。しかし、同様の理由で不安視されていた先代三冠牝馬のジェンティルドンナは前走の敗退も響き4番人気での出走となりましたが、ゴールドシップなど並み居る強豪を抑え見事優勝しました。
また、昨年の勝ち馬ブラストワンピースも中山初出走にして優勝ということで、中山実績は好走率にも繋がりそうですが、勝ち馬に関して言えばその限りでもなさそうです。
熱発で回避した香港カップから2週間で経過も心配されますが、陣営からの報告や追い切りを見る限りでは仕上がりは順調そうです。付け入るスキではないですが、安田記念のような不意のトラブルにだけ気をつけたいところでしょうから、スタートの混雑を嫌って出足が鈍るようなことがあると、いつもの位置取りができないといったことはありうるかもしれません。
穴党でない限り嫌う理由も難しいアーモンドアイなので、ここは素直に相手探しということで注目したいのが栗東・角居厩舎の5歳馬キセキです。
一昨年の菊花賞以降全く勝利に恵まれないキセキですが、昨年の秋以降に前からの競馬を手に入れてから馬券圏内を外したのが8戦中2回のみという安定感を誇ります。
長く主戦を務めた川田騎手が3歳馬ヴェロックスで、フランス遠征のときに手綱をとったスミヨン騎手も日本滞在中ですが、同厩のサートゥルナーリアのほうへ騎乗ということで、今回は先週の朝日杯FSをサリオスとのコンビで勝利したR.ムーア騎手が初騎乗となります。
残念ながらリーディングはルメール騎手に譲ることになりそうですが、今年は川田騎手も躍進の年だったため単純に鞍上強化とは言えませんが、新たな風を吹き込むには面白い起用になりそうです。
先行争いはアエロリットとの兼ね合いとなりそうですが、アエロリットからすると過去経験してきた最も長い2000mから500mの延長ということで、あまり無理はできないところかと思われます。のびのびと前を走るとまでは行かないでしょうが、得意のペースに巻き込むことができれば勝ち負けに絡む可能性は高いと見ます。
角居厩舎からはサートゥルナーリアと2頭出しになります。三冠も期待され“怪物”とまで言われたサートゥルナーリアもG1では鳴りを潜めていますが、上位人気は間違いないところでしょう。ということで、キセキには「2頭出しは人気薄から」の後押しもあります。
どう転んでもドラマの生まれる気配しかしない第64回有馬記念まであと少し。直前まで精一杯悩むことになりそうですね。