暮れから続いた中山もいよいよ最終週。古馬の中距離重賞「アメリカジョッキークラブカップ(AJCC)」が冬の中山を締めくくります。
インが荒れてきており、先週はパワーのいる外差し馬場でした。AJCCが行われる2200mはそんなタフな馬場の中で急坂を二度もこなす必要があり、スタミナも求められます。瞬発力よりも持続力の要求度が高く、パワフルで持続力のある脚を使える馬が幅を利かせやすいレースとなりそうです。
となればハービンジャー産駒の5歳馬、ブラストワンピースは外せない1頭でしょう。
530キロを超える大型馬で、雨の影響でタフな馬場となった2018年の有馬記念を制しているように、力の要る馬場は大歓迎です。スタミナもありますが、菊花賞では瞬発力勝負となり4着に敗退。切れる脚を使える馬ではないので、早めに動いて持続力勝負に持ち込むなど加速し切れれば強い1頭です。
実績的にも申し分なく、今回はドンピシャの条件と言って良いですが、問題は凱旋門賞帰りという点。「大型馬の休み明けは仕上がりにくい」という予想のセオリーがあるように、状態面がどうかという点が取捨を判断する上で非常に重要になってくるでしょう。
昨年の有馬記念は海外遠征の疲れをとるためパスしており、十分に調整期間を取りました。年が明けいよいよ初戦を迎えますが、1週前の追い切りはWコースで一杯に追われて僚馬に先着したものの、馬なりの僚馬に手応えでは劣勢という内容。馬体重もまだ560キロ近くあるということで、まだまだ太め感があります。状態については慎重に見極める必要がありそうです。
ここを叩いて春のG1戦線へ、というのが差し向きのプランだとは思いますが、仕上がり途上の態勢でもこの条件と相手関係なら楽に勝ってもらいたいところ。メンバー唯一のG1馬が、絶好の条件で威厳を見せられるかに注目です。