1年で最初のG1と言えばフェブラリーステークスだが、交流G1まで枠を広げれば「川崎記念」が1年で最初のG1となる。川崎記念は1月29日、川崎競馬場のダート・2100mで開催。
今年はJRAから6頭の出走予定馬が発表されたが、チュウワウィザード、ケイティブレイブ、デルマルーヴル、ミツバなどダート界の有力馬が揃っており、今年も中央勢同士の争いが激しくなりそうだ。
中でも注目したいのが昨年のJBCクラシックを制したチュウワウィザードだ。
昨年はダイオライト記念、平安Sを勝利し、帝王賞でも2着に好走。JBCクラシックを勝利し悲願のG1タイトルを獲ると、チャンピオンズCでも4着に好走と成長力・充実感が非常に目立つ1年であった。前走の東京大賞典で大きく崩れたケイティブレイブや昨年の覇者も近走は凡走続きのミツバより、充実一途のチュウワウィザードから狙いたいところである。
また、チャンピオンズCを勝ったクリソベリルはフェブラリーSとサウジCの両睨み、同3着のインティは東海Sへ、東京大賞典を勝ったオメガパフュームはドバイを回避し帝王賞を目標にローテーションを組んでいくことが発表されており、一線級のライバルたちが不在となっている。チュウワウィザードにとってここは2つめのG1タイトルを獲れる大きなチャンスだ。地方の馬場もこなせ、距離も問題なし、先行できてコース適性の幅も広いという安心感のある馬で、川崎は初コースとなるが割り引くほどの材料にはならないだろう。
鞍上はこれまで川田将雅騎手が主戦として手綱を握ってきたが、前走のチャンピオンズCでは川田騎手は新世代のクリソベリルに騎乗し、同馬で見事優勝を果たした。チュウワウィザードには福永祐一騎手が騎乗したが、こちらは4着に敗れてしまった。仕掛けるタイミングが遅れてしまい、外へ出して追い出すも手遅れ。結果的に詰まって脚を余しての4着敗退という残念な結果に終わってしまった。
1~3着馬が単純に強かったし、各馬の鞍上が上手かったので致し方ないという見方もできるが、序盤の位置取りや直線の仕掛けで見せた消極的な騎乗は騎乗内容としては褒められたものではない。川田騎手に手綱が戻るのか、はたまた別の騎手へと乗り替わりとなるのかは不明だが、継続騎乗なら信頼度は下げて馬券を組み立てたい。
何れにせよ、激しい流れのチャンピオンズCから300m距離が延長され、追走もかなり楽になるだろう。メンバーの格も落ちるここは好転する条件が多い。年明け初戦を勝利で飾ることができるかどうか。注目したい。