今週からの中央競馬は、約3ヶ月間G1がしばしお休み。しかし、秋のG1に向かう戦いは既に始まっており、1週たりとも気が抜けないレースが続く。また、今週行われるCBC賞とラジオNIKKEI賞は秋のスプリンターズSや天皇賞(秋)などに向けて重要な一戦で、昨年活躍したアンビシャスやダンスディレクターなどの原石と呼べる馬を予め発掘しておきたい。そこで、今週から夏競馬連続シリーズとして、秋に向けて活躍が期待できる馬やローカル重賞の波乱の立役者として沸かせそうな馬を毎週ピックアップし、買える理由を提示した上で推奨していきたい。なお、7月初週のCBC賞から9月最終週のオールカマーor神戸新聞杯までの13週全て取り上げる予定なので、ぜひ予想をする上で参考にして頂ければと思う。
まず、今回の出走馬を見渡す限り、注目すべき馬は以下の4頭であろう。①エイシンブルズアイ(石橋脩)②サドンストーム(ルメール)③スノードラゴン(大野)④ベルカント(藤岡康)。その上記4頭で最も注意が必要な馬は①エイシンブルズアイである。前走のG1は4角で窮屈な競馬もある中で5着に健闘し、2走前の重賞では後続勢をぶっち切る圧勝劇を見せている。また、自在性のあるタイプで雨が想定される開幕週の馬場状態も全く苦にしない。もちろん上位人気が予想されるが、出走馬の中では最も軸として安定したタイプと言えるだろう。
注目の穴馬・シンデレラボーイの買うべきポイントとは?!
しかしながら、今回筆者が最も期待している馬は、シンデレラボーイである。OP入り後11, 5, 4着と成績だけ見る限りでは頭打ちの印象で、重賞で買える要素は見当たらないように映る。けれども、今回はハンデ戦に加えて、人気上位馬4頭の中で3頭が休み明け。また、唯一休み明けでないスノードラゴンも斤量58.5キロで、相当厳しい戦いが予想される。ゆえに、上記4頭以外にも隙を突くチャンスは十分あるだろう。では、ここからそのシンデレラボーイの買える要素を3点取り上げて、順に追って解説していきたいと思う。推したい理由として挙げられるのは以下の3点である。①不得手な右回りから左回りにコース替わり②実力・馬場面から考える斤量54キロの価値③ダービージョッキー川田騎手への乗り替わりである。
まず1点目の左回りに関する事であるが、近走の直線での走りを見て頂ければ分かるように、右回りだと内にササる癖がある馬で、追いづらい面が出てくる。特にテン乗りの騎手だと余計に不安要素として出てくるので、真っ直ぐ走れる左回りの中京に替わる点は大幅プラスであろう。現に、準OPは中京1200mで突破しており、同じく左回りの東京で安定している点からも見て取れるだろう。そして、2つ目の実力面に関する事であるが、この馬はOP入り後の3走のようなパンパンの良馬場よりも、少し渋った馬場の方が得意なタイプである。実際に、昨年の11月の奥多摩ステークスで阪急杯3着のブラヴィッシモを苦しめており、彦根ステークスでは内にササり直線不利がある中で函館SSを勝利したティーハーフと0.3秒差しか変わらなかった。以上の点から見ても、週末の雨予報はプラスに働きそうで、馬場が渋れば良いタイプである。さらに、ハンデ戦の中で牡馬にも関わらず斤量54キロは有力馬と2〜4.5キロの差があり、特に重馬場のスプリント戦では大きなアドバンテージになるはずだ。
そして、最後の川田騎手への乗り替わりであるが、近走騎乗した騎手を挙げると、『ヴェロン・二本柳・佐藤友・中谷騎手』であるように、全てリーディング上位の騎手ではない。もちろん、上記の4人も素晴らしいジョッキー達であるが、やはり今年ダービーを制した川田騎手と比べると落ちることは否めない。特に中谷騎手は最も多く騎乗し乗り慣れているが、馬群を捌く力や器用な面を生かせる川田騎手に替わる点は、テン乗りと言えどもプラスであろう。
もちろん、最初に取り上げた4頭は評価している。また、間違いなく4頭の中で2頭は馬券に絡んでくるに違いない。しかし、その4頭を蹴散らすとすればシンデレラボーイと見ており、人気もなさそうな面から見ても必ず狙いたい穴馬である。また、雨が降ると言えども、開幕週の馬場なのでラチ沿い有利の可能性が高い。したがって、特に内枠を引いて5〜8番手からロスなく運ぶ競馬が理想的と言える。ゆえに、ぜひ読者の方には上記4頭の人気上位馬だけでなく、穴馬として魅力的なシンデレラボーイの枠順にも注目して頂きたい。