29日(土)はサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で世界最高の賞金総額2000万米ドル(約21億6000万円)を誇る新設レースのサウジカップ(ダート1800m)が開催。海外馬券発売対象レースに指定されていないので、馬券を購入することは出来ないが、JRAからは2頭の馬が参戦。賞金の高さからも注目しておきたい一戦だ。今回は中でも人気が集まりそうな有力馬3頭と、日本から参戦するJRAの馬2頭をピックアップしてみた。
マキシマムセキュリティ(牡4、J.サーヴィス厩舎)
昨年はフロリダダービーやシガーマイルハンデキャップなどG1を3勝し、昨年の米最優秀3歳牡馬に輝いたマキシマムセキュリティ。昨年5月に米チャーチルダウンズ競馬場で開催されたケンタッキーダービーでは逃げて1着に入線するも、最終コーナーで斜行したことで審議となり、17着に降着した。しかし夏・秋と順調に勝ち星を挙げていき、暮れはシガーマイルを楽勝し、ここに目標を定めてきた。世代トップの実力であることは確か。
マッキンジー(牡5、B.バファート厩舎)
前走のブリーダーズカップクラシック(BCクラシック)では2着に好走し、3走前のホイットニーステークスでは日本産馬のヨシダの追撃を退け優勝し、G1・4勝目を果たした。BCクラシック後は引退も囁かれていたが、バファート調教師は現役続行を発表。間隔が短すぎる1月25日の米G1ペガサスワールドカップは回避し、今回のサウジカップへと目標を定めてきた。キャリア14戦で連対を外したのは一度のみと、常に安定した成績を残しており、ここでも人気を集める1頭となりそうだ。
ムーチョグスト(牡4、B.バファート厩舎)
前走のペガサスワールドカップを優勝し、G1初制覇を果たしたムーチョグスト。2歳時のキャッシュコールフューチュリティと3歳のハスケル招待ステークスで2着に好走、トラヴァーズステークスでも3着とG1レースでは惜敗続きだったが、待望のG1初制覇を果たした。昨年はクラシックの上位勢に食い込まんとする“上がり馬”的な存在だったが、今年はG1ホースとして威厳を示したいところ。数少ないヒムヤー系の競走馬ということで期待度も高い1頭だ。
■JRAからは2頭が参戦
クリソベリル(牡4、音無秀孝厩舎)
ここまで6戦6勝と負け無しのクリソベリル。7月に大井のジャパンダートダービーを制し、秋はチャンピオンズCを優勝。現在日本のダート界を牽引する1頭だ。切れ味よりもスタミナやパワーで勝負するタイプで、海外の馬場適性も高いものを持ってそうな気配がある。昨年いっぱいで現役を引退する話も囁かれていたが、招待されたサウジカップを受諾。もうひと花咲かせることができるかどうか。
ゴールドドリーム(牡7、平田修厩舎)
こちらも引退が囁かれながらサウジカップに参戦。昨年はフェブラリーS・2着、かしわ記念・1着、南部杯マイルCS・3着、チャンピオンズC・2着とダートG1戦線で活躍。前走の東京大賞典では前をつついてタフな流れに持ち込む積極的な競馬をしますが、真っ向勝負で行き過ぎたせいか4着に惜敗。引退前にもうひと花咲かせることができるかどうか、注目が集まる。海外は2017年4歳時にドバイWCへ遠征し、まさかのブービー。今回はそれ以来の海外戦となるが、前回の雪辱を果たせるかにも注目だ。