2008年ジャパンカップで衝撃の走りを見せたスクリーンヒーローですが、種牡馬としての現段階の最高傑作と目されるのが現役時代に稀代のマイラーと称され香港G1を連覇するまで成長を遂げ、種牡馬入りも果たした初年度産駒のモーリスといえるのではないでしょうか。
最終的にはマイルのみではなく2000mでも花を咲かせたモーリスでしたが、1200m~1600mで活躍したロードカナロアがアーモンドアイを輩出したように、どのような遺伝子を残していくのか注目の集まる一頭です。
そんなスクリーンヒーロー産駒から、モーリス同様遅咲きながら、距離適性は異なり長距離を見込まれて種牡馬入りを果たしたのが、2015年の有馬記念をゴールドシップ、ラブリーデイ、キタサンブラック、マリアライトといったメンバー相手に優勝したゴールドアクターです。
5月の遅生まれながら2歳の11月にデビューを果たしているゴールドアクターですが、初勝利には3戦を要し、皐月賞、ダービーの出走は叶わないものの、菊花賞には間に合い3着と健闘しました。その後は自己条件を一歩ずつ勝ち上がり、アルゼンチン共和国杯で待望の重賞勝利を遂げると、続く有馬記念も前述のように優勝し、春の始動戦である日経賞まで連勝を飾りました。
スクリーンヒーロー自身も緩やかな成長で4歳秋に本格化した晩成型タイプだったこともあり、父の特徴をゴールドアクターも受け継いでいるといえます。
現在は優駿スタリオンステーションに繋養され、初年度種付け料は70万円に設定され、56頭の繁殖牝馬を集めました。サンデーサイレンスの血が入りつつも薄め、というのが魅力の種牡馬も増えてきており、晩成の長距離砲となると時代的に需要も少ないのではないかと見ていただけに、56頭という数字はまずまずの滑り出しとみても良さそうです。
コンスタントに活躍するというよりは、一髪大きな仕事をする産駒を出すイメージの強いスクリーンヒーローの系譜をモーリスともども繁栄させていけるか、今後の種付け数や産駒の活躍に両頭とも注目していきたいです。