夏の3歳ダートG1であるジャパンダートダービー。3歳馬にとって直線の長い大井2000mでのレースは過酷と言えるが、近年ではノンコノユメやカゼノコなどスターを輩出してきたレースである。また、賞金加算の面においても重要で、有力馬は秋のG1や来年に向けて少しでも多く稼いでおきたいのが本心であろう。そして、今年はユニコーンS・兵庫チャンピオンシップ・東京ダービーを制した主力馬が勢揃いしており、今年のチャンピオンズカップや来年のフェブラリーSに向けて、正確に実力差を見極めたい重要な一戦となりそうだ。したがって、今回は中央勢の有力視されている3頭とその他3頭に加えて地方馬を含む全ての馬を厳しい目でジャッジしていきたい。また、ゴールドドリームやケイティブレイブ、ストロングバローズの取捨選択もしているので、ぜひ読者の方には予想をする上で参考にして頂ければと思う。
まず、先ほど取り上げたように、今回のレースで人気上位が予想される馬は以下の3頭であろう。その3頭は①ゴールドドリーム(川田騎手)、②ケイティブレイブ(武豊騎手)、③ストロングバローズ(Mデムーロ騎手)である。
①ゴールドドリームは前走のユニコーンSで重賞初制覇。また、5戦4勝2着1回の抜群の安定感のある馬で、自在性のある競馬も魅力的。さらに、距離延長も問題なさそうで、直線の長い大井競馬場にも十分対応出来るだろう。次の②ケイティブレイブは前走の兵庫チャンピオンシップにおいて、①ゴールドドリームに1.2秒差を付ける圧勝劇。2, 3走前こそ3, 4着に敗れているが、ハマった時の爆発力は末恐ろしい程と言える。そして、最後の③ストロングバローズは前走のユニコーンSで僅かの差で2着に敗れた。しかし、先行力のある競馬が取り柄で、自分でレースを作れるタイプ。Mデムーロ騎手との相性も決して悪くないだろう。
さて、ここからその3頭の実力差を明確にしていくが、今回のレースで最も影響を与えるのはズバリ雨である。月曜日時点の予報では降水確率80%で、現時点では雨が降る可能性が非常に高い。そうなれば、一番不利を受けるのは③ケイティブレイブである。やはり、2, 3走前に脚抜きの良い馬場で、①と②に敗れている点から見ても圧倒的不利な状況。また、逃げ馬にとって厳しい大井2000mのコース形態を考慮しても、雨が降ってしまうと厳しい存在である。そして、雨で最も恵まれそうな馬は①ゴールドドリームである。やはり、内枠の自在性が生きる舞台で、上位2頭を上手くマークできるポジションからレース運びできそう。さらに、ヒヤシンスSとユニコーンSで他馬に負けていない点から見ても、重馬場ならこの馬だろう。
残りの中央勢は?!地方組にチャンスはあるのか?!
次は、残りの中央勢3頭について解説したい。その3頭とは、①ダノンフェイス(岩田騎手)、②キョウエイギア(戸崎騎手)、③ノーモアゲーム(内田博騎手)である。上記の中で最も注目すべき馬は②キョウエイギアであろう。前走の鳳雛Sでは強豪メンバーを撃破した実績のある馬。大井競馬をよく知る戸崎騎手への乗り替わりもプラスであろう。ただ、3走前にストロングバローズに完敗している点を考慮すると、3着までが限界と見ている。ここは押さえまでの評価で問題ない。また、①ダノンフェイスは砂を被ると良くない為、内枠は厳しい条件。③ノーモアゲームに関しても、現時点では力不足の為、今回は険しい戦いが強いられそうだ。
そして、地方組では①バルダッサーレが気になる存在だ。前走の東京ダービーは目の覚めるかのような素晴らしい勝利で、後続勢を全く寄せ付けない内容。また、中央時代でも500万クラスを突破しており、決して侮れない存在と言える。しかし、中央の内容を見る限りでは、さすがに重賞組に勝つまでの力はなさそうなので、大井2000m経験のアドバンテージと輸送面や吉原騎手騎乗を考慮して2着までの押さえと考えている。そして、地方勢で期待できるのはこの馬だけだろう。
以上、順に追って中央勢から丁寧に1頭ずつ解説して見ていった。基本的には予報通りの天気であれば、ストロングバローズとゴールドドリームの2頭の対決となりそうで、3着にバルダッサーレやケイティブレイブ、キョウエイギアなどが絡むレースとなるだろう。ただ、もし雨が降らなければケイティブレイブの独壇場となる可能性もあるので、その辺りは前日の天気や当日の馬場状態を含めてしっかりチェックしたい。ぜひ、読者の方にも天気や当日の馬場傾向などを含めた上で、3強の取捨選択をしっかりと見極めて頂き、三連単で美味しい馬券をゲットしてもらえればと考えている。