8/16に札幌でダートの重賞「第20回エルムS(G3)」が行われた。夏のダート重賞は地方に丸投げしている感もあり、JRA開催で行われるレースが少なくなっている。そんな中同レースは中央で行われる希少な重賞レースなのだが、地方競馬出身の岩田康誠騎手は得意の舞台でその力をいかんなく発揮した。
2番人気に推されたジェベルムーサ(牡5)はスタートはいつも通りに遅めで後方11番手からの競馬となった。しかし向正面で外を回って一気に前へ進出していく。ロングスパートの体勢に入った。
4コーナーではハナを切っていたエーシンモアオバー(牡9)に並びかけ、直線を向くと最後の力を振り絞って抜けだした。後ろからは3番手で控えていたG1馬のグレープブランデー(牡7)が猛追を仕掛けてくる。しかしジェベルムーサはそれをクビ差でしのぎ、見事に重賞初制覇を達成した。
2着には5番人気だったグレープブランデーが入着し、さらに1馬身1/4差の3着には7番人気のエーシンモアオバーが粘った。
勝ったジェベルムーサはこれで重賞初勝利となり、6戦目にして悲願の重賞制覇を果たした。鞍上の岩田騎手は7月の函館2歳S(G3)、函館記念(G3)、CBC勝(G3)を勝利し、先週はレパードS(G3)を勝利。そして今回エルムSを制して圧巻のJRA重賞騎乗機会5連勝を達成した。今週の札幌記念で優勝すれば、98年に武豊がマークした同6連勝の最多記録に並ぶ。
次走の札幌記念では7月に函館記念で勝利したダービーフィズに騎乗予定だ。この夏は勢いの止まない岩田騎手から目が離せない。