8/23に小倉でサマースプリントシリーズ第4戦目となる「第50回北九州記念(G3)」が開催される。スプリント路線を行く強豪たちが小倉を舞台に激戦を繰り広げる夏のビッグレースだ。
そんな北九州記念の登録馬の中で、とある馬が一際目立っている。デビューからこれまで一度も負けたことのない無敗のスプリンター、ビッグアーサー(牡4)である。
ビッグアーサーは'14年の4月にデビューし、これまで5戦5勝と負け知らずである。そのレース内容も圧巻で、520kg台と馬格のある身体で先行・差し・追い込みと多彩な競馬を見せる。
"重賞レースでも十分に通用するだろう"と彼のレースを見た者は口をそろえて言う。条件戦の頃からそう言われてきており、今回はついに得意の舞台となる1200mで重賞でも通用すると言われるその力を証明する時がきたのだ。
重賞戦ではないにしろ、5連勝することはそう楽なことではない。連勝する度に他からマークされるだろうし、斥量も増えていくし、不利な条件は増えていく。出走するコースも馬場の状態も毎回違う。勝利する度に幾多の壁を乗り越えてきたのだ。安定した結果を出すのが難しいスプリント戦でしっかり勝ち切ってきているということだけでも評価できる。
"相手が弱すぎたんじゃないの?"と思う人もいるかもしれないが、ビッグアーサーが闘ってきたメンバーは決して弱くない。フォーエバーモア('14クイーンC・G3)、マイネルエテルネル('12小倉2歳S・G3)、ティーハーフ('15函館スプリントS・G3)といった重賞馬を実力でねじ伏せてきた。他にも負かしてきた相手がその後OP戦などで勝って活躍している。お山の大将でないことは確かのようだ。
鞍上はデビューから乗り続けている藤岡康太騎手が手綱を握る予定。課題であった折り合いも徐々に克服し、今では相性も抜群だ。
藤岡騎手にとって小倉という舞台もうってつけだ。所属していた栗東・宮徹厩舎の夏場の拠点が小倉だったことから、藤岡騎手がデビューした'07年から'13年までの7年間は小倉で過ごした。夏の小倉で培った経験を活かし、ビッグアーサーを重賞初制覇へと導くことはできるだろうか?
無敗のチャレンジャーが夏のスプリント重賞戦に挑む。