秋のダート重賞やチャンピオンズCに向けて非常に重要な一戦と言えるエルムS。重賞で最もフルゲートが少ないレースで、登録もわずか12頭。さらに、北海道への輸送のリスクを考慮すると有力馬の参戦は少なく、中央の古馬ダート重賞路線で最も勝利しやすいレースと言えるだろう。しかし、逆に言えば賞金加算の為に輸送してきた馬は絶対に取りたいレースでもある。したがって今回は、絶対に負けられない戦いを迎えるモンドクラッセについて、今後の行方を含めて詳しく解説していきたいと考えている。また、他にも有力馬のジェベルムーサやショウナンアポロン、クリノスターオーの取捨選択についても触れていきたい。ぜひ予想をする上での参考にして頂きたいと思う。
秋を見据えた賞金加算を狙うモンドクラッセ
まず、①モンドクラッセ(三浦騎手)は函館競馬場で行われた大沼Sをレコードのおまけ付きで圧勝し、もちろん今回も上位人気が予想される。しかし、収得賞金が4750万円と昨年の覇者であるジェベルムーサよりも少なく、秋を戦う上でやや心配な面がある。もちろんそれは今回の出走馬で言えばロワジャルダンにも同じことが言える。ただ、函館・札幌の北海道シリーズで(5-0-0-0)と5戦全勝の素晴らしい成績を残しているとなれば、話は変わってくる。頭数が少なく、先行馬が少ない舞台で得意の競馬場。さらに、軒並み有力馬は休み明けで、同馬は叩き2走目で前走以上のパフォーマンスが期待できる。となれば、秋のG1戦線に向けて賞金面を含めても絶対に負けられない戦いと言っても過言ではないはずだ。
モンドクラッセに待ったをかけそうな馬は以下の4頭。①ジェベルムーサ(岩田騎手)と②ショウナンアポロン(松岡騎手)、③ロワジャルダン(モレイラ騎手)、④クリノスターオー(幸騎手)である。
人気上位馬の取捨選択は?!昨年の覇者・ジェベルムーサを信頼して良いのか?!
上記の中で最も期待できるのが、②ショウナンアポロンであろう。モンドクラッセと同じく前走の函館戦を使っており、体調面には全く不安がない。また、先行力を生かせる小回りの舞台も合うタイプで、前走のような競馬が理想的。モンドクラッセとセットで注意の1頭だろう。
一方で、やや心配なのは③ロワジャルダンと④クリノスターオーである。前者は小回りで起用な競馬をすると言うよりも、広いコースの方が良いタイプ。さらに、5月の平安S以来のレースを考慮すると、体調面にも不安を覚える。また、後者に関しても4角でエンジンの掛かりが遅い面があるので、ジェベルムーサのように捲る馬がいる展開はマイナス。前者同様に3ヶ月ぶりのレースで、人気ほど信頼度は高くない。
そして、①ジェベルムーサに関してはこの舞台では安定した成績を残しているため、軽視は禁物。ただ、ローテーション的には昨年の方が良かったので、昨年ほどの信頼度はないであろう。
以上、モンドクラッセを中心に上位人気馬を順に追って解説した。もちろん、他に面白い穴馬がいれば良いが、12頭立てである以上そこまで期待できる馬はいない。また、小回りの1700m戦なので、淡々とした流れで強い馬が押し切る競馬となりそうである。そのような面を考慮しても、モンドクラッセに関しては絶対に落とせない一戦となる。ぜひ、読者の方には8月14日のモンドクラッセにとって重要な一戦を目に焼き付けた上で、三浦騎手の渾身のガッツポーズを期待して頂きたい。