5月の目黒記念(5/31、G2)以来約3ヶ月ぶりにG2の重賞レースが北の大地で開催される。第51回札幌記念(8/23、G2)である。G3が続いた夏競馬に慣れたせいもあってか、登録されたメンバーの顔ぶれに豪華さを感じる。
唯一の3歳馬
登録馬全15頭の中で唯一の3歳馬であるヤマカツエース(牡3)は若手のエースだ。
昨年の6月にデビューし、今年の4月にニュージーランドT(4/11、G2)で初の重賞制覇を果たしたばかりのキングカメハメハ産駒である。
重賞レースはこれまで5戦し、NHKマイルC(G1・13着)といったG1レースにも出走し、積極的に強い相手と闘ってきた。NHKマイルCでは13着と結果はイマイチだったが、まだまだ成長が期待できるエースである。昨年の今頃はまだ1200mの短距離しか走っていなかったことを考えると、この1年で目覚ましい成長を遂げた。。
今回出走する札幌記念のメンバーには、'14年の菊花賞(G1)を勝ったトーホウジャッカル(牡4)や、'14年のエリザベス女王杯(G1)を勝ったラキシス(牝5)や、昨年G2を2連勝したラストインパクト(牡5)など、強豪古馬が揃っている。メンバーも強化されハンデ戦じゃない分厳しいが、前走の函館記念では強豪古馬相手にも存在感をアピールした。休み明け初戦で、距離延長で初の2000mという不安を抱えながら、パワーのいる洋芝の函館を克服して3着に食い込み地力を見せた。
ヤマカツエースはこれまで徐々に走る距離を伸ばしてきた。今年3月は中京1400mのファルコンS(G3)で馬群を捌いて伸びのある末脚を見せて3着に粘り込んだ。続く4月のニュージーランドT(G2)では距離をマイルに伸ばしタフな中山を見事に克服して優勝。そして前走の函館記念(G3)では2番手から先行して3着に粘り、2000mにも対応してきた。
距離をこなしていったことも評価できるが、それ以上に器用な競馬ができるようになっていってることにもこの馬のポテンシャルの高さを感じる。格上のメンバー相手と闘い、多くのことを吸収してそれを次の新しい舞台でも活かしている。
サラブレッドの3歳と言えば人間で言えば小・中学生くらいだろうか?知らないことには全てに興味を持ち、なんでも挑戦する。まさしく今が"育ち盛り"のヤマカツエースは怖いもの知らずだ。
若手の活躍が光る夏競馬
先週新潟で開催された関屋記念(8/16、G3)では同世代のヤングマンパワー(牡3)が3着に健闘し、若者の力をアピールした。その前の週ではアズマシャトル(牡4)に騎乗したデビュー3年目の若手騎手、松若風馬騎手(19)が初の重賞勝利をあげ、今夏は人馬ともに若手の活躍が光る。目覚ましい成長を遂げるヤマカツエースが、秋のG1戦線の主役候補に名乗りを上げるか。