中山の土曜メインは秋の牝馬三冠トライアルの初戦となる「紫苑ステークス」です。2016年に重賞に格上げされてから今年で第5回目ということで、重賞になってからの歴はまだ浅いですが、3着までに秋華賞の優先出走権が与えられるということで注目度は高い一戦です。今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみましたので、各馬を考察してみたいと思います。
ウインマイティー(牝3、五十嵐忠厩舎)
今年は初戦のエルフィンSで7着に敗れますが、続く1勝クラスのデイジー賞とリステッドの忘れな草賞を快勝し、前走のオークスでは13番人気ながら勝ち馬と0.2秒差の3着に大健闘。一気にクラシック戦線の上位に浮上してきたゴールドシップ産駒の牝馬です。1800m以上の距離では【2-1-1-0】と安定感は抜群で、適性は十分あります。中山コースにおいてもデイジー賞を勝利しているように、舞台適性は抜群です。展開的にスローの勝負でしか好走していないのは気になりますが、得意な条件のここは好勝負が期待されます。
スカイグルーヴ(牝3、木村哲也厩舎)
昨年11月に東京の2000mでデビューしたエピファネイア産駒の牝馬。今年初戦の京成杯では先行馬を見ながら2番手につけ、4コーナーで外めから上がって2着に粘りました。前走のフローラSでは5着に敗れましたが、約3ヶ月の休み明けでマイナス14kgの馬体減に加えて、速いペースと異例の追い風もあり、直線では伸びを欠いてしまいました。今回も馬体重の増減が気になるところですが、成長を促す意味でも放牧に出されており、8月末に厩舎へ戻って入念に調整されてきました。状態が整っていることが大前提で、脚をしっかり溜めることができれば好勝負は期待できそうです。
シーズンズギフト(牝3、黒岩陽一厩舎)
昨年11月に福島の2000mでデビューしたエピファネイア産駒の牝馬。今年は初戦の1勝クラス・若竹賞を快勝し、続くフラワーCでも3着に好走。そして初のマイル戦となった前走のニュージーランドTでもしっかり距離短縮に対応して2着に好走しました。牝馬としては稀なローテーションということもあってか、同レース後に右前脚の骨折が判明。しっかり休養し、今回が復帰戦となります。機動力があり、切れる脚も使えるタイプで、コーナー4つの中山コース、開幕週の馬場は間違いなく合うでしょう。本番への権利を掴むためにも、復帰初戦から馬券圏内はしっかり確保したいところでしょう。