今週は勝ち馬に天皇賞・秋の優先出走権の与えられる「オールカマー」が開催されます。春のG1路線を戦った実力馬と、夏の重賞で好走した馬が顔を揃えるまさにAll comer(参加希望者全員)な一戦です。今年も多彩な顔ぶれが揃いましたが、今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみましたので、各馬を考察してみたいと思います。
フィエールマン(牡5、手塚貴久厩舎)
3歳クラシックでは菊花賞を制し、昨年と今年の天皇賞・春を制し連覇を達成したG1・3勝馬のフィエールマン。宝塚記念は早々にパスし、秋の最大目標であるジャパンカップへ向けてオールカマーから始動。中山は有馬記念・4着、AJCC・2着と重賞では勝っていませんが、素質の高さとコーナリングの上手さで小回りのコースでも大きく崩れてはおらず、苦にしている印象はありません。本質的には広くて直線の長いコースがベストのように感じますが、さすがに負けられない相手関係でしょう。
カレンブーケドール(牝4、国枝栄厩舎)
オークス、秋華賞、ジャパンCの3戦でいずれも2着に好走しており、勝ちきれないまでもG1戦線で安定した走りを見せているカレンブーケドール。キャリア10戦中9戦が馬券圏内と安定感は抜群です。前走京都記念・2着後はドバイに遠征するも新型コロナウイルス感染拡大の影響でレースを迎えることなく帰国し、ここが復帰戦となります。間隔が空いてしまいましたが、久々は苦にしないタイプで、小回り向きの器用さ、瞬発力も兼備しており、先行力もあります。開幕3週目の中山の馬場はこの馬に向きそうで、この馬の安定力を考えればここでも崩れることはなさそうです。
ミッキースワロー(牡6、菊沢隆徳厩舎)
ここまで重賞3勝のミッキースワロー。前走の天皇賞・春ではフィエールマンと0.4差の3着に善戦しており、G1を獲れるところまで来ています。また、この馬の最大の魅力は“中山巧者”であるという点。2017年のセントライト記念も勝っており、2018年のAJCC・2着、昨年のオールカマーは2着。中山2200mはもってこいの舞台と言って良いでしょう。一瞬の決め脚が武器で、この武器を生かせる小回り中山では滅法強く、中々のメンバーが揃うここでも十分上位が狙えるでしょう。