秋の阪神競馬2週目のメインレースは、秋華賞トライアルの「ローズS」です。牝馬三冠最終戦である秋華賞を占う上でも見逃せない一戦です。ここで好走した馬は秋華賞はもちろん、冬のエリザベス女王杯でも活躍するケースも多いため、下半期の牝馬G1戦線に向けて要注目の一戦と言えるでしょう。
オークス馬シンハライトV.S.桜花賞馬ジュエラー!
ローズSと言えば、まず注目したいのが前走オークス組です。過去10年で毎年馬券に絡んでおり複勝率は100%、さらに勝利数も8勝と信頼度の高いローテ組です。
今年のオークス直行組で人気上位が予想されるのは何と言ってもオークス1着馬のシンハライトでしょう。2走前の桜花賞ではジュエラーとハナ差の2着。そのジュエラーはオークスでも最有力候補でしたが、骨折によりオークスを回避。骨折明けの復帰戦となるジュエラーも人気を集めそうですが、他に夏を使ってきた馬も1頭もいないですし、今年のローズSはとくに不安要素のないシンハライトが1番人気と見て間違いないでしょう。
それにしても、正直上位2頭以外のレベルが低すぎるという印象は否めません。もう一つの秋華賞トライアルである紫苑Sが今年から重賞に昇格し、シンハライトやジュエラーを避けた良い馬がこちらへ行ってしまったことも原因の一つかもしれませんね。
2強の不安要素は「油断」と「覚悟」
シンハライトとジュエラー2頭の不安要素を強いてあげるなら、それは「油断」と「覚悟」ではないでしょうか。シンハライトは賞金的には足りていますので、ローズSは本番秋華賞へ向けての叩き台です。本番の秋華賞や、その後のG1戦線へ向けて無理や無茶はしないでしょう。まあ無理や無茶をしなくても十分能力は高いのですが…大目標がここでない以上は付け入る余地はありそうです。
ジュエラーの骨折は左前脚の第1指骨を剥離骨折と、内容的には大きな骨折ではありませんでしたが、まだまだ先がある馬ですし今回は探り探りの競馬になるのではないでしょうか。秋華賞を残している状況で、怪我を悪化させてまで何としてでも優勝しなければという覚悟はないのではないでしょうか。ここは本番へ向けてレースの勘を取り戻すためのレースと考えるのが打倒でしょう。
2強以外のメンバーのレベルが低いとは言え、権利が欲しい馬たちを侮るのは危険。前走オークスで不利があっての11着に敗れたアットザシーサイドは、桜花賞3着の実績もありますし巻き返しに燃えてもらいたいところです。他にも内田博幸騎手へと乗り替わりになり一発狙うデンコウアンジュや、武豊に戻って復調が期待されるレッドアヴァンセなど、台頭の機会を虎視眈々と狙う馬たちの存在も見逃せません。夏は終わってもまだまだ女達の熱い闘いは続きそうですね。