クラシック最後の一冠、菊花賞がいよいよ開催!見どころは何と言ってもディーマジェスティとサトノダイヤモンドの2強対決だろう。
一冠目の皐月賞を制したディーマジェスティ、その皐月賞で3着だったサトノダイヤモンド。続く二冠目のダービーではマカヒキが1着、サトノダイヤモンドが2着でディーマジェスティが半馬身差の3着。着順だけなら互いの勝負は1勝1敗。マカヒキが凱旋門賞へと進んだため、今年のクラシックを通しで盛り上げてくれている主役2頭の対決は最大の見どころと言って良いのではなかろうか。
菊花賞トライアルの「セントライト記念」と「神戸新聞杯」。2つのレースを振り返ってみる。
菊花賞には「セントライト記念」と「神戸新聞杯」の2つのトライアルレースがある。ディーマジェスティはセントライト記念を制し、サトノダイヤモンドは一方の神戸新聞杯を制し、両馬が順当にステップレースを勝ち進めてきている。直接対決はせずとも火花がバチバチと飛んでそうだ。
セントライト記念ではディーマジェスティが皐月賞馬の威厳を示し、横綱相撲で完勝した。直線では外から食らいつくマウントロブソンを寄せ付けず、同じく後方から追って上がっていったプロディガルサンとゴール前で食い下がるゼーヴィントをしっかり抑え、ディーマジェスティの文句なしの完勝であった。
一方の神戸新聞杯ではサトノダイヤモンドが思わぬ伏兵の抵抗を受け白熱したレースとなったが、しぶとく退けて勝利するという内容だった。レースは中団前目から追走したサトノダイヤモンドが直線で抜け出して先頭に立つが、内からミッキーロケットが食い下がった。一瞬ミッキーロケットが前に出て詰め寄る脚が目立ったが、これを勝負根性で盛り返してサトノダイヤモンドがクビ差で勝利した。
2つの菊花賞トライアルから見る2強の評価は?
個人的にはステップだけを見るなら神戸新聞杯を制したサトノダイヤモンドを評価したい。外から伸びてきたエアスピネルとレッドエルディストを子供扱いし、内のミッキーロケットを差し返すという圧巻のパフォーマンスには正直驚かされた。神戸新聞杯で負かしたメンバーで菊花賞でも出走予定となっているのは2着ミッキーロケット、3着レッドエルディスト、4着カフジプリンス、5着エアスピネル、10着ジョルジュサンクの5頭。ミッキーロケット以外の4頭とは勝負付けは済んだ感はあり、菊の舞台でも脅威にはならなそうだ。神戸新聞杯組で怖いのは最後まで接戦を繰り広げたミッキーロケットくらいだが、夏から続けて5戦目になるので状態の不安がある。叩き2戦目のサトノダイヤモンドに状態面で勝るとは考えにくい。
ディーマジェスティもスタート直後に挟まれる不利がありながら外から動いてねじ伏せるという強い勝ち方で進んできた。鞍上の蛯名騎手は長距離巧者ということも今回は大きなプラス材料となる。しかしデビュー地である札幌からの移動を除けば今回が初輸送で、関東馬との相性が悪い菊花賞では買いづらい材料もあり(関東馬の過去10年の成績「0-0-2-42」)、馬体の大きさや、しなやかさよりも力強さが目立つ走法など不安な一面も見え隠れしている。
現時点では無冠ながらもサトノダイヤモンドの方が信頼度では一歩差をつけているという印象があるが、枠や馬場によってこれらが覆されることもある。1勝1敗の2頭の勝負はついに決戦の3度目、勝ってケリをつけるのは一体どちらだ?!