今から約10年以上前の事だろうか。仕事でビッグレットファームに行った時の事。これから、厩舎へ送り込む2歳馬の鍛錬を見学していた。その時の岡田繁幸氏の目は非常に鋭く、流石に国内屈指の相馬眼を持つ男と言われるだけの事はあると、ある種のオーラを感じた。仕事で接した岡田繁幸氏の印象は非常に温厚で、周りからも親しまれている、人間性が素晴らしい人物に感じた。今でもマスコミの前によく登場するが、岡田繁幸氏は本心で語る事が多い。たまにはマスコミにリップサービスもするが、基本的に本心で話していると思っていいだろう。
午後になり、岡田繁幸氏が「東京に帰るのはいつ?」と聞いてきたので、「明日の午後です」そう答えると「じゃあ、夜は一杯折角だから飲もう。いい店を知っているんだ」断る理由はないので、夜を楽しみにした。岡田繁幸氏の行きつけのお店ってどんなお店なんだろう。美味しいお店なのだろうと思っていた。実際に連れて行かれたのは大手居酒屋チェーン店の個室。意外にも庶民的なんだなと思った。少し肩透かしを食らった感じはしたが、それでもお酒の席だからこそ聞ける取っておきの話も聞けた。当時の自分に取っては、岡田繁幸氏の語録は非常に重要だった。ある意味大手居酒屋チェーン店で良かったのかも知れない。洒落たお店だと緊張して美味しい物もなかなか食が進まないと言う事もある。岡田繁幸氏は見栄を張るように見えるが実際はそこまで見栄を張るタイプではない。