今週の京都の土曜メインレースは第59回スワンステークス(G2)が開催。マイルチャンピオンシップの前哨戦でもあるので、本番でしっかりとした予想をするためにもここは見逃せない一戦だ。
今年のスプリングS(G2、東京・芝1400m)を優勝して重賞初制覇を果たしたサトノアラジンや、マイルチャンピオンシップで2年連続2着のフィエロ、昨年のスワンSの勝ち馬アルビアーノなど、G2らしいメンバーがズラリと並んでおり予想のし甲斐がありそうだ。「シルバーコレクターだがここは安定感のあるフィエロを軸に…」なんて思いながら予想を始めていると、一頭「あれ?」と思う馬を発見した。
メイショウナルト、秋も休まず逃げる!まさかの路線変更で1400mに初挑戦!
知る人ぞ知る逃げ馬メイショウナルトである。まさかこの馬の名前をここで見るとは思わかなった。前走は9月の新潟記念(G3、芝2000m)で12着。今年は5月の新潟大賞典(G3、芝1800m)で2016年の初戦を迎え、以来毎月重賞レースに出走している。夏に実績をあげているので夏に多く使うのはわかるが、引き続き秋も休まず使わせた前走については少々疑問に思っていた。それなのに「10月も使うのか?」という驚きと、「しかも1400m?!」と大胆な路線変更にも驚いた。
メイショウナルトはこれまで1800~2000mの中距離路線を主戦場としてきた逃げ馬だ。今年で8歳になるセン馬がここへきて初の1400mに挑戦となると、正直陣営には呆れる感情を通り越して応援したくなる。馬のことを思えば休ませてあげたいが、ここまできたならなんとか勝たせてあげたいところである。
1年以上掲示板にすらのれていない着順が続いているが、毎レース一生懸命に逃げる姿を見ると、まだまだ闘志があるなと関心してしまう。勝ててはいないがレースを面白くしてくれる存在であることは間違いない。そろそろ報われてもいい頃だ。
逃げ馬の距離短縮は要注意!得意の大逃げで一矢報いることはできるのか?
本当に出走するのかどうかはまだ不明だが、ここへ出走してくるなら注意しておきたい一頭。久しく馬券に絡んではいないが、逃げ馬の距離短縮は十分に注意が必要である。メイショウナルトの近5戦は2000mで、うち4戦を逃げている。どれも最期は4コーナーか直線で交わされてしまっているが、これが600mも短縮されれば残る可能性は高い。
京都を走るのは実に約3年5ヶ月前と久々だが、ここでも問題なく逃げていくだろう。他の騎手も「あれを逃がして、そのままゴールさせまい」と早めに追い出してくるだろうが、上で記した差しの人気上位勢が有利な展開になるのはマズイ。マイルチャンピオンシップの前の重要な一戦を無駄に使いたくないので気にせず行かせるという騎手もいるだろう。前走の新潟記念の時のように大きく逃げてレースを引っ掻き回してくれれば面白くなる。筆者も本番前の前哨戦としてトライアル的な見方が強かった同レースだが、ここはメイショウナルトが一矢報いる予想を立ててみるのも面白そうである。