国内初となった海外馬券発売の凱旋門賞から早一ヶ月。11月も引き続き海外G1馬券発売の対象レースが開催される。11月5日(日本時間では6日早朝)はアメリカのサンタアニタパーク競馬場でブリーダーズカップフィリー&メアターフ(米G1、芝2000m)(以下BCターフ)が開催される。日本からは'14年のオークス馬・ヌーヴォレコルトが参戦する予定だ。
ヌーヴォレコルトは26日にすでにアメリカのサンタアニタパーク競馬場の検疫厩舎に到着しており、28日より馬場入りする予定。同馬と共にアメリカへ飛び立った小原秀之調教助手は「海外遠征も3回目なので馬も落ち着いており無事到着できました。」とコメント。
ヌーヴォレコルトは昨年末に初の海外遠征となる香港の香港C(香港G1、芝2000m)に出走し、R.ムーア騎手で2着に健闘。今年の春には再度香港へ飛びクイーンエリザベス2世C(香港G1、芝2000m)で武豊騎手とのコンビで6着に入着している。今回はさらに長距離輸送のアメリカへの遠征となったが、今のところ調整は順調に進んでいるようだ。
今年は海外で大活躍の武豊騎手、BCターフは4年前のトレイルブレイザーぶり
鞍上は香港クイーンエリザベス2世Cで手綱を握った武豊騎手の予定となっている。今年はドバイのUAEダービーやフランスのイスパーン賞など海外遠征で大忙しの武豊騎手。最近は海外遠征と言えば武豊、というイメージが強くなってきている。国内で見る機会が減るのは寂しくなるが、筆者個人としては海外へ挑戦する騎手が少ない中で自ら先陣をきってどんどん海外のレースに挑戦してくれているのは嬉しい限りだ。馬だけでなく騎手のレベルも世界レベルで通用できるよう、日本の競馬レベルを引き上げてもらいたいものだ。
さて、BCターフと言えば'12年にトレイルブレイザーが挑戦しており、この時も武豊騎手が乗って4着に入着している。着順結果を知った後だったが、当時初めてレース動画を見た時に興奮したのを覚えている。4番人気に推されたレース当日、5番手の好位から進めて早めの仕掛けで外に廻し、最期のコーナーでまくって直線では2番手まで浮上する。そのまま勝つのではという勢いだったが、内と外からゴール手前100mあたりで交わされて4着に終わった。負けはしたが海外のレースでも魅せてくれる騎手で、BCターフをすでに経験済みの武豊騎手は非常に心強い存在となるだろう。
4年越しの再挑戦、ローテは不安も器用さで勝負できるヌーヴォレコルトなら好勝負も十分期待できる
世界最大級のイギリスのブックメーカーであるウィリアムヒルによると、現在ヌーヴォレコルトのオッズは13.00倍で6番人気となっている(10/27時点)。国内のオッズとなるともう少し人気しそうだが、ライバルにはG1・3勝でこれまで連対率100%のレディイーライ(牝4、米)や、イギリスのヨークシャーオークスとアイルランドの愛オークスを2連勝して今回挑むセブンスヘヴン(牝3、愛)、今年R.ムーア騎手でマイルG1を3勝しているアリススプリング(牝3、愛)などG1ホルダーがズラリと揃っている。
世界各国でG1を獲っている猛者を相手に、日本のオークス馬とBCターフ4着を経験している騎手のコンビがどこまでやれるかというところは見どころの一つ。サンタアニタは日本よりも多少は重いが比較的速い馬場で、直線も短い。直線勝負ではなくコーナーから動ける器用さが必要となってくる。14頭の少頭数なら前へも付けれるし、器用さがあるヌーヴォレコルトなら好勝負も期待できそうだ。
心配なのはローテーション。トレイルブレイザーの時はしっかりアメリカで前哨戦を使ってBCターフへと進めたが、ヌーヴォレコルトは8月の札幌記念(4着)からとなっている。このあたりはトレイルブレイザーでこのコースを経験している武豊騎手の腕と、馬の器用さに期待するしかない。イスパーン賞では9番人気のエイシンヒカリで1着、UAEダービーでは4番人気のラニを1着に持ってきている武豊騎手のユタカマジックに期待して、4年越しのリベンジを果たしてもらいたい。