今週京都の土曜メインレースは2歳牝馬の1400m重賞、ファンタジーステークス(G3)が開催。12月に行われる阪神ジュベナイルフィリーズへ向けて関西圏で行われるステップレースとして、毎年レベルの高い戦いが繰り広げられる。過去の勝ち馬には重賞5勝のベルカント、重賞4勝のアイムユアーズ、G1・3勝のスイープトウショウなど多くの名馬がいる。牝馬路線を占う上で見逃せないレースだ。
今年も注目度の高い牝馬が参戦している。今年2016年にデビューした新産駒・フランケル産駒のミスエルテ(牝2、池江泰厩舎)だ。
新馬戦はノーステッキで圧勝!不安よりも期待が大きい
1.3倍の圧倒的1番人気に推された阪神のデビュー戦では、先団を見ながら6番手を追走。直線に入ってもすぐには動かずじわじわと上がっていく。そのまま持ったまま上がっていき、十分な手応えで鞍上の川田騎手も鞭を一度も使うこと無く2着馬に2馬身の差をつけて完勝した。マイルでかかることなく先行し、稍重の京都をノーステッキで上り33.7。追走力のいらないスローな展開だったことを加味しても圧巻の内容であった。
この勝ち方からファンタジーSでもミスエルテが1番人気となるのは間違い無いだろう。とにかくこの馬はスピードの能力がずば抜けて高い。先週天皇賞秋を優勝したモーリスのスピードもすごいが、この馬も同じように持ち味はスピード能力の高さにある。マイルであれなら距離が短くなる1400mならさらなる高パフォーマンスが期待できそうだ。
他には、前走札幌2歳S(G3)で10番人気の低評価を覆して2着に入着したブラックオニキスや、ファンタジーSと同じ京都1400mの条件戦で2着だったヤマカツグレースなどが参戦。全体的なメンバーレベルを見るとミスエルテが抜けた人気となりそうだが、気性の不安や追った時にどうかなど未知な部分も多い。今は不安よりも期待の方が大きく、ミスエルテにとっては次の一戦が試金石となりそうだ。