古馬、3歳馬を交えての牝馬最強決定戦となる戦エリザベス女王杯が11月13日(日)京都競馬場11Rで開催となる。15:40の出走が今から待ち遠しい限りだが、皆さん事前の予想はそろそろ固まっているだろうか?過去のレースを振り返ってみれば大荒れと言えるのは近年では2009年の第34回くらいと手堅い決着が続いている。
とは言えワンツースリーフィニッシュとはそうそうならないのが競馬の面白み。これから上げる人気上位3頭は誰が勝っても決しておかしくはないが、矛盾するようなことを言うようだが、このうち最低1頭は飛ぶことを覚悟して馬券を検討するのを配当妙味の上でも推奨する。
連覇へ向かって平坦コースは歓迎のマリアライト
昨年の勝ち馬で、ここからスターダムに押し上がったのがマリアライトだ。昨年は消耗戦を制しての勝利となったが、この馬にとって消耗戦は願ってもない展開となり、末脚勝負になることは歓迎しづらく、こうなると思ったほどの脚は使えない。理想としてはいい流れに入って、自分が最後まで長く脚を使える状況になることだ。
常に上位着順、そしてほとんど掲示板を外さないため、安定して買うことの出来る馬の1頭である。牡馬相手でも引けを取らない走りは、宝塚記念の勝利を見るとわかりやすい。あのレースも消耗戦のような雰囲気から抜け出し、後続を抑えて相手関係も非常に高レベルな宝塚記念で勝利を収めた。
基本的にコースは平坦のほうが良く、直線がある程度長くて脚を使いやすい京都コースは向いている。前走のオールカマーでは展開にやや恵まれず、差し脚の勝負になってしまった。
本番ではどのような馬場状態になっているかも注目したいところだ。渋っている馬場でもかなり強い走りができ、消耗戦は願ってもないところ。昨年に続く連覇を目指し、今年も自分の流れに持っていけるかが焦点となる。
牝馬限定の安定感はかなり強いミッキークイーン
牝馬とのレースだけなら掲示板どころか馬券圏内も外すことがない、それくらい安定しているのがミッキークイーンの良さである。昨年の2冠馬は、今年に入って2戦しか走っていないものの、ここでも2着2回と安定した結果を出している。
とは言え、2冠馬としては今ひとつ足りない状況は生まれているものの、連を外すことはないと考えると、マリアライトより更に安定感があり、軸として狙いたい1頭である。安定感を求めるなら、この馬を外すことは出来ない。
この馬のレースは後ろから行って脚を使い一気に差し切る、典型的差し馬である。そのため先行している馬が粘ってしまい、差しきれないレースが出て来るのは仕方ないところだが、勝っているレースは全てかなり早い脚で差し切り、しっかりと抜け出せる状況を作っている。
コースはこちらも平坦のほうが強い感じがあり、33秒台の脚が使えるような展開なら有利になる。消耗戦もある程度こなすことが出来て、ペースが早くなっても落ち着いて走れば問題はない。
連を外しているのは牡馬相手だったジャパンカップだけで、それ以外のレースは全て2着以内、牝馬限定ならまず馬券を取るために必要な馬と言っても良い。問題はぶっつけ本番になっていることだけで、休み明けでしっかりと結果が出せるかが注目される。
2歳時の大物がようやく結果を出すかクイーンズリング
デビューから3連勝でフィリーズレビューを勝利。無敗の桜花賞馬誕生をかけ挑んだが4着。前哨戦は強いが本番では今一つという馬はいるがクイーンズリングもその1頭と言える。
そんなクイーンズリングにとって今回はようやく勝つチャンスが巡ってきたレースと言える。今が充実している時期であり、今後に向けても非常にいいレースが期待できる、そうした状況が生まれていることは確かである。
オークスは惨敗気味で、その後のローズSもぴりっとしない。やや人気が落ちた秋華賞は2着に入ったが、これが現時点では唯一のチャンスだった。その後はエリザベス女王杯、ヴィクトリアマイルと使ってきたがイマイチの成績。合間で京都牝馬Sには勝利しているため落ち目ということもなかった。今回も前哨戦の府中牝馬Sに勝利しているので、状況的には同じような感じだが、出走馬の状況などから以前よりもチャンスが巡ってきている感はある。
危険な人気馬は誰か?
おそらく最終的な人気順では3番目になるだろう順当な結論で恐縮だが、この中で危険な人気馬をあげるならばやはりクイーンズリングとなる。
マリアライトの勝った宝塚記念はドゥラメンテ、キタサンブラックなど超強豪を抑えてのもの。これはたまたまで勝てる相手ではなく、牝馬に限らず実力は本物だ。陣営もそこは把握しており、牝馬路線にかぎらずレースでは使われるため馬券にならないこともあるが、牡馬と競り合った結果であり、その中で掲示板をこの2年外していないというのは圧巻である。掲示板では馬券にはならないとは言うものの、牝馬限定で馬券圏外となったのは2歳時のスイートピーSのみであり、2年半前の本格化前の話。今回は牝馬限定。ここで買わないのは本物の穴党に違いない。
また、ミッキークイーンも先述の通り牝馬戦での安定感は凄まじい。使われたレース数が少ないためマリアライトとは今回が初対戦となるため、この2頭のマッチアップには非常に注目が集まる。
一方で、クイーンズリングは3強とするには一枚格が落ちるように見えるのは致し方ない。素直に3頭を選ぶならば3頭目に入るかもしれないが、外すならばやはりクイーンズリングになる。このまま消しただけでは面白くないので代わりの1頭もあげておきたい。
単純に人気順で入れるならばパールコードになるが3歳馬筆頭ということで少々過剰に人気が集まっているように見える。人気と比べた危険度で言えばクイーンズリング以上だろう。3歳馬筆頭というのも、秋華賞2着からくるものではあるが、シンハライト・チェッキーノ・メジャーエンブレムなど上位が順繰りに離脱していった経緯もあり、100%信頼するには至らない。弟ムーヴザワールドが注目の新馬戦を勝ったことで株があがりがちなタッチングスピーチも実力以上の票を集めているのではないかと見ている。
というわけで、ぜひ注目してもらいたいのは近走絶好調のヒルノマテーラ。前走カシオペアSではベルーフ、ダンツプリウスと言った重賞を勝っている牡馬を抑えて優勝した。前々走マーメイドSでもクビ差2着と、2走続けて好走をしている。未だ重賞での勝ち星はないとは言え、今回がGⅠ初挑戦、重賞に至っても3回目ということもあるため率で言えば仕方のない面もある。
GⅠ初挑戦などというプレッシャーは馬には関係ない。ここはこのまま好調をキープしてエリザベス女王杯で結果を残してくれることだろう。