【福島牝馬Sの回顧】ディアンドルの逃げ切り。次走の狙いは差し馬にあり?

勝ち馬にはヴィクトリアマイルの優先出走権が与えられる福島牝馬ステークス。今回は福島ではなく新潟で行われた事で、小回り適性より直線でのスピードを求められた。

新潟1800はワンターンのコースでスタートしてから3コーナーまでが長く、直線も長いため先行馬よりも決め脚が活かせる差し馬に有利なコースである。

今回レースラップとしては【12.6-11.3-11.9-12.4-12.4-12.1-11.2-10.9-12.1】と後半3Fも逃げたディアンドルが34.2で上がっているように差し馬には展開的に厳しいレースとなった。上位馬も先行勢が占めたように結果的には前残りのレースとなった。

勝ち馬ディアンドルは若駒時代スプリント戦で活躍して、一時期は結果が出ない時期も続いたが前走の小倉大賞典で好走し今回は55kgを背負いながらも逃げ切った。前走もトーラスジェミニのハイペースの逃げを追いかけながら3着に残したように、前走も評価出来るものだった。おそらく前走が人気薄での好走だったのでフロック視されたのだろう。1200を走っていたようにこの距離ならスッと先行出来るのが強み。1800という距離もおそらくベストなんだろう。脚質的にも今後も過剰に人気するタイプではないだろう。次走はヴィクトリアマイルとなると条件的にも厳しいかもしれないが、馬格もある馬だし夏のローカル重賞あたりで再度狙えるかもしれない。

2着ドナアトラエンテは負けて強しの2着だろう。ジェンティルドンナの全妹ということで期待は大きかったが少しづつ力を付けてきた。今回も前残りの展開の中をしっかり差し込んで来てるし力は示しただろう。姉同様東京や新潟のような左回りの長い直線で決め脚を活かせるようなレースがベストだろう。5歳ではあるが秋の活躍に期待したい1頭だ。

3着サンクテュエールは桜花賞・オークス・秋華賞と3冠クラシックでは振るわなかったがここで久々の好走を見せた。結果論ではあるが、仕掛けをもうワンテンポ遅らせられれば更に際どい勝負が出来たと思う。この馬もディープ産駒で決め手は備えてる馬ですから、1800~2000がベストのように感じる。

上位馬以外ではアブレイズは展開が向かない中で差し込んできた脚は評価していいだろう。とにかく不器用でスタミナ豊富な差し馬なので条件が噛み合えば好走するチャンスや能力はある馬だと感じる。また人気していたがパラスアテナも今回は展開的に厳しいレースとなった。やはりこの馬は紫苑ステークスや秋華賞のように上りがかかる展開での差しが得意な馬で今回は展開的にも条件的にも向かなかった。

今後夏のローカル重賞は小回りコースで行われることがほとんどなので、今回のレースとは違った適性が求められる。次走以降狙うならこのレースで差し損ねた馬というのは次走以降チェックしとくべきだろう。