姿は兄オルフェーヴルと瓜二つ
日曜メーンレースのラジオNIKKEI賞に出走するアッシュゴールドは「金色の馬体」、「顔の流星」、「4本ソックス」と見た目は兄のオルフェーヴルにそっくりの馬である。他にドリームジャーニーも兄にいるが、見た目はオルフェーヴルの方に似てパッと見では見分けがつかないくらいだ。
走る前から過大な期待
アッシュゴールドは見た目が兄オルフェーヴルとそっくりなばかりにデビュー当時から、いや、生まれた時から兄と比較され続けているのだ。「成功を約束された黄金配合」、「偉大な兄に続く良血」と言われ、馬の募集価格は6000万円だったオルフェーヴルに対してアッシュゴールドは1億8000万円と走る前から大きなプレッシャーがのしかかる。
アッシュゴールドが歩くだけで「身のこなしが素晴らしい」「歩き方からもいいものを持っていそうだ」とまわりは口をそろえて褒め称え、みなデビューを心待ちにしていた。
しかし兄のようにはいかず・・・
中京芝1600mでデビューするも、力のいる馬場に泣かされ見せ場なく6着に終わった。最内枠から終始荒れた内ラチ沿いを走らされ、池添騎手の騎乗も決して良いものでは無かった。しかし世間やまわりの馬を見る目は厳しく、調教師である池江師にも「非力」と言われる始末。大きすぎる期待に応えることが出来なかった。
グレるアッシュゴールド
2戦目は後方3番手でじっくりと構えて末脚勝負でレースを制した。その後もデイリー杯2歳S(GⅡ・2着)、朝日フューチュリティ(GⅠ・8着)、きさらぎ賞(GⅢ・3着)、毎日杯(GⅢ・15着)と重賞で健闘するもなかなか勝ち切ることができずにいる。前走の大阪杯ではビリの15着だった。調教師の池江師によれば精神的な面で追い込まれていたとのことで、馬がイライラしていたとコメントをしている。
アッシュゴールドも荒削りな気性を持っていて、ステイゴールド産駒らしい馬である。馬だって馬鹿じゃない。むしろ賢い。兄と比較されていることを認識しているとは言わないが、まわりの人間の扱いや空気や雰囲気から自分が批判されていたりまわりを落胆させた原因となっていることを察することくらいは容易だと思う。
兄と比較されっぱなしで精神的に追い込まれていたと言っても過言ではないだろう。
まずは重賞勝利
大阪杯後はリフレッシュ放牧をし、約3ヶ月の休養を挟んで今週のラジオNIKKEI賞に臨む。今回で5度目の重賞挑戦となり、そろそろ重賞初制覇したいところ。実際に成長力に関しては定評のあるステイゴールドXメジロマックイーンの配合だし、この先の走りにもまだまだ期待は出来る。そろそろ蕾ををふくらませたいところだ。
次走のラジオNIKKEI賞では仕切り直しの効果があるといいが。あとは馬体も変化も気になるが、池江師のコメントによれば馬体重は変わっていないようだ。大きくなりにくいのかもれないが、前走からどれくらい成長をしたのかが見ものだ。