重賞レベルになって来ると、人気馬はどうしても勝ちを意識して騎乗せざるを得ない。その為には、安全騎乗が一番求められる。イン突きをするのはギャンブルプレーだが、外国人ジョッキーは容赦なくする。デムーロ・ルメールはそこまで凄い事はしないが、ムーアやリスポリはズバズバやってのける。
日本においては暗黙の了解として、内ラチ1頭分を空けておくのがルールだが、ムーアやリスポリはおかまいなし。外国人ジョッキーは短期免許で来日する為、賞金の高い日本では出稼ぎにきているので、非常にハングリー精神が強いのが特徴。ただでは終わらないのが外国人ジョッキー達だ。自分の力と馬の力を信じ最後の最後まで追って追って追いまくる。
日本人騎手はギャンブルプレーに出る騎手は少ないこれが、日本人と外国人ジョッキーの差。ルメールはあのディープインパクトを撃破した時に常識では考えられない、有馬記念の大舞台で、追い込み脚質のハーツクライを先行させ、ロングスパートに成功し、ディープインパクトの追撃を難なく退けた。こんな乗り方が出来るのは外国人ジョッキーだけだろう。
もしハーツクライのジョッキーが日本人ジョッキーだったらあっさりディープインパクトに勝たれていたのは想像に難くない。外国人ジョッキーは常にあらゆる作戦を頭の中で考え勝負する。最後に日本馬初の快挙となったドバイワールドカップでのヴィクトワールピサの勝利は、スローペースを見越したデムーロ騎手が最後方から一気に捲りきり、そのまま押し切り日本調教馬初の偉業達成となった。外国人ジョッキーは実にクレバーだ。