ルメール騎手、デムーロ騎手とも現在はJRA所属の騎手ですが、もともとは短期免許を毎年とって日本に参戦していました。
当然ですが、今年の夏開催は2人とも初めての経験。ルメール騎手は札幌がメインで過ごしやすかったでしょうが、デムーロ騎手は新潟競馬場がメインだったこともあり、今年の猛暑は苦労したのではないでしょうか。
それでもベルカントでアイビスサマーダッシュ、スマートオリオンで中京記念を勝つなど、暑い季節でもきっちり結果を残すあたりはさすがデムーロ騎手。一方のルメール騎手も藤沢厩舎とのコンビで、何年も勝ち星がなかったペルーサをまさかの逃げに導いて押し切るなど、さすがの手綱でした。
外国人騎手が来るとそれに押し出されて日本人騎手が乗れなくなってしまっているのが現状です。日本人騎手でも幸騎手のように毎年安定してたくさん乗れている騎手もいますが、若手には受難の時代といえるでしょう。引退する騎手の年齢が確実に下がっているのが現状です。(当コラム執筆中にも藤田騎手の電撃引退がありました。)
なぜ外国人騎手に依頼が集まるのか?
まずあげられるのがペリエ騎手など「これまで来日した騎手が結果を残してきた」ことが挙げられます。外国人騎手=勝たせてくれる騎手というイメージはペリエ騎手が作ったとわたしは思っています。
次にこちらのほうが本質的な話になるかもしれませんが、「外国人騎手は先を考えて乗らない」ことがあげられます。
どういうことかというと、2歳馬だったり、3歳のクラシック前哨戦に乗る日本人騎手は武豊騎手もそうですが、「次の本番に生きるような競馬をする」傾向があります。
いっぽう外国人騎手は、言い方悪く言えば「稼ぎにきている」こともあり、次のレースを考えるというよりは目先のレースを勝ちにいく傾向が強い。
どちらがオーナーや厩舎サイドとして使いやすい騎手なのかは一概には言えないかもしれませんが、「勝たせてくれる」というその1点が、騎乗依頼をするうえでかなり大きいのではないかと思います。
とはいえ全員の外国人騎手が優遇とまではいきません。ルメール騎手は日本語はまだ話せないようですが、デムーロ騎手は日本語はかなり話せますし、インタビューの受け答えもきちんとしています。
そして、武豊TVにゲスト出演していたときに言っていましたが、自分でコンビニに行って納豆を買って食べているとのこと。日本人でも苦手な人もいるのに…日本になじむため、というよりは、ほんとうに納豆が好きみたいです。
和食はヘルシーで好きとコメントしていましたが、そこまで日本を愛している外国人騎手だからこそ、依頼が集まるのもありそうです。もちろんこれまでネオユニヴァースなどで数々の結果を残してきた実績もかなり大きいとはいえますが、日本に骨をうずめるくらいの気合・気概を感じる騎手です。
ドゥラメンテは残念ながら戦線離脱してしまいましたが、秋競馬のデムーロ騎手の手綱も見逃せないですね!