今年の2歳牝馬は非常に粒ぞろい。その中でも最大級の注目を集めているミスエルテは牝馬限定の阪神JFではなく朝日杯FSを目指すそうです。それはさておき、今週は牝馬限定戦のほう、阪神1600mで開催される阪神ジュベナイルフィリーズです。

ミスエルテが抜けるのは寂しいですが、1頭抜けたくらいではこの豪華さは色あせません。ご存知のようにミスエルテが注目を集める第一のきっかけとなったのはその血統。父Frankelはワールドサラブレッドランキングの定める世界最高レーティングを保持している名馬中の名馬。その第一世代の産駒としてデビューを心待ちにされていたのがミスエルテ達で、見事に結果を出してきていることから、日本でのディープインパクト旋風のようなものが世界規模で起きているわけですね。

JRAでは現段階で4頭のフランケル産駒がデビューし、そのうち2頭が勝ち上がってきています。1頭はミスエルテで、もう1頭のソウルスターリングが今回阪神JFへと出走してきます。ミスエルテはG3ファンタジーSを勝ち上がっていますが、ソウルスターリングもOPアイビーSを勝利しているため、格が落ちるということはありません。

そして、そんなソウルスターリングが必ずしも主役になるとは言えない迎え撃つ牝馬たちもまた豪華な顔ぶれ。GⅠ馬含む重賞ウィナーを多く輩出する出世レースのデイリー杯2歳S勝ち馬ジューヌエコールは、表題の通り既に牡馬たちをくだしての参戦となります。

また、レーヌミノルも夏の小倉2歳Sでは2着に6馬身差をつけて圧勝。京王杯2歳Sではモンドキャンノに半馬身差譲って2着となりましたが、こちらも牡馬に負けず劣らずの大活躍。前走叩いての上積みにも期待できます。

牝馬限定路線からも、昨年圧倒的な強さを見せたメジャーエンブレムの通ってきたアルテミスSからは前評判通りの強さを見せて競り合いに勝利したリスグラシューが出走。2着に敗れたフローレスマジックは残念ながら来年のクイーンズカップへ向けて休養に入ったようです。

その他にもヴゼットジョリーが新潟2歳Sを勝利していますが、秋を全て休養に当てての鉄砲気味なため少々評価の難しいところ。

などなど、牡馬混合戦を牝馬が多数勝利している分牡馬が割を食っている形になります。これら注目馬たちの中から勝ち上がる馬が現れるか、穴馬が台頭してくるか。まだまだ成長期の彼女たちなので力関係はあっという間に変わってしまう可能性も大いにあります。来年のクラシック戦線をウオッカよろしく牡馬路線まで賑わす可能性も秘めているだけに、例年以上に注目の一戦となりそうです。