【凱旋門賞2022】バーイードが回避「2000mまで」と陣営は判断

10戦無敗の実績が光る欧州の“大将格”バーイードが参戦する可能性が浮上していた凱旋門賞だが、同レースを回避し、10月15日にイギリスのアスコット競馬場で行われる英チャンピオンS(G1、芝1990m)へ向かうことが明らかになった。14日、同馬を管理するW.ハガス調教師が、オーナーであるシャドウェルの代表S.ヒッサ王女と相談して決定したことを英競馬メディア「Racing Post」で明かした。

欧州の現役最強馬の凱旋門賞挑戦に心を躍らせていたファンは多いだろうが、大物の回避で胸を撫で下ろした陣営も少なくないはず。今年は日本から参戦するタイトルホルダーの前評判が高く、初の凱旋門賞制覇を期待する国内ファンも多い。バーイードが参戦していれば勝てるチャンスは低くなっていたと思われるが、バーイード陣営も凱旋門賞を勝ちきれるかどうかについては懐疑的であった。

ハガス師によれば、前走の英インターナショナルS(G1、芝2050m)の勝ちっぷりから選択肢は一気に広がったが、ハガス師個人としては“マイル・クォーター(2000m)まで”で進めたい意思があったという。凱旋門賞への挑戦も一つの選択肢として挙げていたが、距離の適性面を考慮して英チャンピオンSへの参戦を決めたという。

また、主戦騎手のJ.クローリー騎手も「アスコットへ行くのは正解だ。試験的にアーク(凱旋門賞)を使われるのはいささか疑問を覚える。アークで勝つ姿も見たいが、アスコットへ行くのは理にかなっている。」とコメントしており、チャンピオンSへの参戦を支持した。

無敗馬である点や、近5戦のレースが被っていることから、マイル・中距離で圧倒的な強さを見せつけた欧州最強馬・フランケルと比較されることが多かったバーイード。凱旋門賞参戦となればフランケルが辿らなかった道へ挑戦することになったが、最終的にはフランケルのラストランとなった英チャンピオンS(1着)への参戦が決定し、最強馬と同じ道へ進む結果となった。

度々比較されてきた最強馬フランケルと同様に、バーイードも1着でラストランを迎えることとなるのか?どんな走りを見せるか注目だ。