【NHKマイルカップ予想2025】展開次第で大波乱も?警戒すべきはクラシックからの転戦組

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日曜の東京メインレースは芝1600メートルの3歳G1「NHKマイルカップ」が行われる。今年も3歳マイル王決定戦にふさわしい実力馬が顔を揃え、ハイレベルな一戦が期待できそうだ。

過去10年の優勝馬には、2019年のアドマイヤマーズのように、種牡馬としても成功を収めた例が多い。今年もまた将来のスターホースが誕生する可能性を十分に秘めたメンバー構成となっている。

レース傾向を見ると、逃げから追い込みまで勝ち馬の脚質は多彩だ。位置取りに左右されにくいレース形態といえるが、今年は前走で逃げた馬が1頭も登録されておらず、先行争いの展開が読みづらいのが特徴である。

こうした状況の中で注目したいのが、吉村智洋騎手騎乗のランスオブカオスだ。父シルバーステートが果たせなかったG1制覇を目指し、デビューから4戦2勝・3着2回と安定感のある成績を残している。これまで一度も1番人気に推されたことがなく、人気以上に実力を秘めた存在として、単勝馬券の妙味も十分にある。

続いて注目すべきはアドマイヤズーム。昨年、同レースをジャンタルマンタルで制した川田将雅騎手が、今年はモーリス産駒の本馬で連覇を狙って参戦。アドマイヤズームは前走・ニュージーランドトロフィーでクビ差の2着。先行して脚をしっかりと使えるタイプで、崩れにくい堅実さが魅力だ。

また、同じモーリス産駒のアルテヴェローチェも侮れない。前走では出遅れながらもランスオブカオスに次ぐ2着と健闘。鞍上の佐々木大輔騎手とのコンビでは、重賞で連を外したことがなく、今回は騎手にとってもG1初制覇がかかる重要な一戦となる。

クラシック路線からの転戦組にも注目が集まる。フィリーズレビューを勝ち、桜花賞では10着に敗れたショウナンザナドゥは、やや距離不安を抱えるが、池添謙一騎手の手綱さばきによっては巻き返しも可能だ。一方、皐月賞で6着だったマジックサンズは、武豊騎手との新コンビで臨む。芝1600メートルへの適応が鍵となるが、名手の導きで好走の可能性は十分にある。

今年のNHKマイルカップは、逃げ馬不在という展開の読みにくさが最大のポイントである。ペース次第で結果が大きく変わる可能性があり、伏兵の一発が決まる波乱含みの一戦となる公算が高い。勢いのある若手騎手や、重賞で好走歴を持つ人気薄の台頭にも警戒が必要だ。今年もまた、目が離せない一戦となることは間違いない。