【天皇賞秋2018予想】キセキ、奇跡の復活Vなるか?

昨年、極悪馬場の菊花賞を制したキセキが天皇賞秋に参戦。菊花賞後は年末に香港へ遠征し香港ヴァーズに出走するも9着に大敗し、年が明けても日経賞9着、宝塚記念8着と不調から抜け出せずにいた。

しかし、前走の毎日王冠ではついに復調の兆しを見せた。ゲートの出はそこまでだったが前目につけていき、道中は2番手から勝ち馬のアエロリットをマークした。トップハンデの58kgを背負いながら1000m通過59.0秒という速い流れの中で追走し、直線では勝ち馬に離されながらも激しい2着争いで粘り腰を見せた。ゴール前では3歳馬のステルヴィオに交わされ3着に敗れてしまったが、凡走してきた近走と比べれば十分評価できる内容のレースであった。

菊花賞の泥んこ馬場で見せたパフォーマンスの印象が強いため、重馬場でこそというイメージが強いが、高速馬場で流れても対応できる馬だ。さらに距離は中距離の実績が一番良く、前走では改めて中距離が得意であることを証明してくれた。

今週の東京の天気は前日の土曜日が雨予報となっているが(25日時点)、今の東京の馬場はとにかく高速だ。同じ東京の毎日王冠の走破タイムは1:44.7と過去10年で2番目に優秀な時計だったし、そんな中で休み明け&トップハンデで勝ち馬と0.2秒差の3着なら期待は十分と言えるだろう。

ただ、今年の天皇賞秋は逃げ馬らしい逃げ馬が不在のため、スローペースになる可能性も高い。スローペースの上がり勝負では分が悪く、できれば得意のスタミナを生かす競馬に持ち込みたいところだろう。前走のように前目につけていければチャンスはありそうだが、後方からの競馬となってしまうケースも多いのも引っかかる点だ。このあたりは枠が発表され次第最終的に判断したい。

ただ、逃げ馬がいないからといって必ずしもスローペースになるわけではないのが競馬だ。大逃げを打つ馬が出てきてもおかしくはないし、逃げる馬がいなくても序盤が遅すぎて仕掛けが早くなるといったような変則パターンもある。レイデオロに騎乗するC.ルメール騎手も記者会見では「良いペースがほしい。」とコメントしているように、スローペースになる可能性は世間が考えているほど実はそんなに高くないのかもしれない。

鞍上は前走で好騎乗を見せてくれた川田将雅騎手が引き続き騎乗予定だ。上積みもあり、距離も良い、鞍上が前へつけて展開が向いてくれれば勝機は十分。奇跡の復活Vを果たせるかに注目だ。