【府中牝馬S予想2025】シングザットソング試金石、1800mでも買えるのか?

巻き返しを狙うシングザットソングは、前走ヴィクトリアマイルで10着に敗れたが、内容を掘り下げれば悲観すべき結果ではない。

中団の外目で脚を溜め、直線は展開に乗じて末脚を繰り出すも、勝ち馬との差は0.4秒。位置取りやペースを考慮すれば、十分に善戦といえる内容だった。距離適性の面で疑問視されるマイル戦で折り合いをつけられた点は、今後に向けた大きな収穫である。

本領を発揮したのは2走前の愛知杯。好枠からロスのない立ち回りで、開幕週ながら荒れ気味だった内を避ける形で走り抜けた。外差しが決まりづらい馬場で唯一伸びてきたワイドラトゥールと好勝負を演じ、最後は先に抜け出していたカピリナを差しての2着。内容的には勝ちに等しいレースだった。持ち味である瞬発力を存分に活かせたレースぶりで、1400m~1800mの中距離における適性の高さを改めて示した。

とはいえ、現状で最も力を発揮できるのは1400mという印象が強い。前半32秒7、後半36秒0という極端なハイペースを押し切って勝った経験もあり、激流を制するだけのスピードと持続力は一級品だ。血統的に距離延長が歓迎とは言い難いが、道中折り合いがつくようになってきており、マイル戦でも好勝負できる可能性は十分にある。

今回の舞台でも瞬発力は確実に上位。G2勝ち馬でハンデ55kgなら力も上位。あとは展開次第で、極端なスローペースにでもならない限り、決め手を活かす流れになれば上位争いは可能だ。

距離不安だけで軽視するのは早計で、近走の内容からも状態面に問題はなく、条件さえ整えば重賞制覇も視野に入る。再浮上へ向け、シングザットソングの末脚が再び輝く場面に期待したい。