【菊花賞2018予想】ブラストワンピースの取捨は?血統や馬体から距離適性を分析

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ダービー5着以外は負けなしのブラストワンピース。負けたダービーも直線で進路をなくす不利があっての5着で、続く新潟記念ではしっかりと巻き返しを果たしている。

新潟記念から菊花賞というローテーションは異例だが、古馬相手に圧勝したパフォーマンスやこれまでのレースでの勝ちっぷりからも各専門誌やメディアの前評判も高く、人気上位に推される可能性は高い1頭だ。

血統&馬体はマイラー向きか?

問題はやはり「距離」。この時期の3歳馬で3000mを経験している馬はほとんどいないため、距離の不安はどの馬にも当てはまるが、ブラストワンピースにとっては他馬以上に慎重になる必要がある。

まずは馬体だが、530kgという立派な馬格は屈強のマイラ―体型そのものと言っていい。ダービー時も馬体重がプラス10kgと大幅に増えており、夏は一時は550kg近くまで増えている大型馬だ。一般的には胴や脚が長くてシャープな馬体をしている馬が長距離向きとされているが、ブラストワンピースは全くの逆で、短距離向きの馬体をしていると言っていい。

ただ、2015年の勝ち馬キタサンブラックも530kgで同競走を制しており、近年はマイラーも活躍する傾向がある。上がりだけの勝負になることが多くなってきた近年の菊花賞ならそこまで不安視することもないのかもしれないが、長距離戦では信頼の置きにくいタイプなだけに慎重になる必要はある。

血統面はどうだろうか。ブラストワンピースは父ハービンジャー、母ツルマルワンピース、母父キングカメハメハという血統。馬格のある馬が多いキングカメハメハにパワー型が多いハービンジャーという組合せだ。

ハービンジャー産駒と言えば、個人的には中山や洋芝のマイルあたりがベストという勝手なイメージがあったが、最近ではディアドラやモズカッチャンなど中距離で活躍する馬も出てきており、キレのある走りをする馬も出てきている。

ただ、いくら近年マイラーでも活躍できるとは言え、3000mはやはり長すぎるイメージがある。実際のハービンジャー産駒の距離別成績を見てみよう。以下の表は芝におけるハービンジャー産駒の距離別成績だ。

ハービンジャー産駒の距離別成績(芝)
距離着順成績(1-2-3-着外)勝率連対率複勝率
1200m11-15-13-1495.9%13.8%20.7%
1400m12-10-17-1406.7%12.3%21.8%
1600m41-42-50-3578.4%16.9%27.1%
1800m88-68-78-63910.1%17.9%26.8%
2000m106-85-103-70910.6%19.0%29.3%
2200m20-21-14-1599.3%19.2%25.7%
2400m14-14-12-1278.4%16.8%24.0%
3000m0-0-1-50.0%0.0%16.7%

集計期間:2014.6.7~2018.10.14

3000mは頭数自体が少ないので何とも言えないが、馬券に絡んだのは2017年の阪神大賞典で3着に入線したトーセンバジル1頭のみだと少ない。頭数や好走率を見ても産駒が得意としているのは1800~2000mであることは明確だ。ハービンジャー産駒にも色々なタイプがいるが、ブラストワンピースの馬体から見るとマイラーの瞬発力タイプが一番当てはまりそうで、個人的にはここはやはりベストな舞台ではないという思いが強い。

ゲート・鞍上などの不安要素も?

距離の不安ももちろんだが、ゲートが安定していない点も不安材料の1つだ。序盤のポジション取りも読みにくく、出てみないとわからない部分が多いのが難点だ。ダービーでは出てからスペースを探し、結果的に詰まるところへ行ってしまってスムーズな競馬が出来なかった。鞍上の池添騎手の責任ではないが、今回はさらに騎手の腕が問われやすい長距離戦となる。ポジション取りやスムーズさにおいては個人的にはあまり信頼度が高くない騎手な故、心許なく感じてしまう点もネックだ。

強い馬であることは間違いないが、今回は条件が悪く、能力だけで買えるほど抜けているかどうかという確信もないので、人気が集まりそうなことも考えると重い印は打ち難いところだ。