【桜花賞2025予想】“素質開花”したチェルビアット、波乱の主役へ

日曜の阪神メインは3歳牝馬クラシック第一冠の「桜花賞」が開催される。今年は抜けた存在が見当たらず、どの馬にもチャンスがある混戦模様。フルゲートの18頭が揃い、見応えある一戦となった。
注目はロードカナロア産駒のチェルビアット。4戦目でようやく未勝利を脱したこの馬は、続くフィリーズレビューで14番人気の低評価を覆し、2着に好走。見事に桜花賞への切符をつかんだ。
デビュー戦では、G1馬ショウナンパンドラの妹という血統背景から2番人気に推されたが、結果は伴わなかった。初勝利を挙げた4戦目の未勝利戦も辛勝に見えたが、初めて着用したブリンカーが効果を発揮し、レース内容には成長の跡が見て取れた。そしてフィリーズレビューでは、上がり最速の末脚で2着に突っ込み、非凡な素質を証明した。
1200mから1400mというローテーションから距離不安を指摘する声もあるが、ラストで勝ち馬との差を詰めてのゴールであった前走の内容を見る限り、マイルへの距離延長はむしろ歓迎材料。母系のショウナンパンドラは中長距離でも活躍しており、その血統を受け継ぐチェルビアットにもスタミナ面での不安は少ない。
さらに、父ロードカナロアはスプリント王として知られるが、産駒の距離適性は広く、2025年のG1・3戦をすべて制している。先週の大阪杯を勝ったベラジオオペラを筆頭に、産駒の充実ぶりは明らか。これらのことから距離延長はマイナスどころかプラスに働く可能性は十分にある。
加えてチェルビアットは、デビュー戦を除く4戦すべてで7枠か8枠、つまり13番以降の外枠を経験している。今回も13番と外に入ったが、この馬にとっては慣れた舞台。他馬にとってマイナス材料となる外枠も、チェルビアットにはむしろ好都合だ。
2025年のG1戦線は、ここまでロードカナロア産駒が3戦全勝中。桜花賞ではチェルビアットが4勝目を挙げ、産駒としての価値をさらに高めてくれるはず。ブリンカー3戦目、得意の外枠、そして覚醒の兆しを見せる末脚。桜の舞台で一気に花開く瞬間を期待したい。