【中日新聞杯2016回顧】ハンデ戦ならでは接戦制したサトノノブレス着差以上の強さ

土曜日の中京競馬場では、ハンデ戦の中日新聞杯(G3)が開催された。ハンデ差もあり、最終的に1番人気に支持されたサトノノブレスですら、単勝で5.6倍もつく大混戦ムードであった。

この日の中京競馬場の芝コースは、8レースから良馬場に回復。その8レースの芝1400メートル戦で行われた古馬500万下の勝ちタイムは、1:21.8だからまずまずの良いコンディションの中でメインレースを迎えることができた。

今年の中日新聞杯のゴール前は大激戦もいいところ。出走馬18頭中、17着のメイショウカンパクまでが1秒差以内に収まる競馬を見せてくれた。勝ったサトノノブレスはトップハンデ58キロの斤量を背負っての1年7ヶ月ぶりの白星。

前半1000メートル・62.1のゆっくりとした流れの中を好位6番手あたりの外目を追走。もうベテランの域に入り、レースの数もこなしているから折り合いの心配はあまりない。直線に入ると、いつものサトノノブレスらしい、後続馬にかわされそうになりながらも質の良い粘り腰をこの日は最後まで見せつけた。切れるというよりかは、最後まで長く脚を使うタイプである。

決め手がある馬に、足元をすくわれることもあるが、この日のように大混戦の競馬になった時にはサトノノブレスの持ち前の粘りが生きるのだろう。58キロのトップハンデだから着差以上に強い競馬だった。この辺りのG3~G2クラスであれば、まだまだ健在。

これで中京での成績は【1-1-1-0】右回りの平坦コースの京都でも日経新春杯(G2)を勝っており、弱点が少ないオールラウンドプレイヤーに今年も期待である。

2着・ファントムライトも道中は4番手の好位グループにいた1頭。スタート直後に激しく押して出ていたった。あれだけ押して出ていく馬だから折り合いも全く心配なし。

スローペースで展開も向き、最後まで脚を伸ばした。不利もなく自分の競馬が出来ており力は出しきっている。

9番人気の低評価だったが、これで、去年の夏の新潟記念(G3)から5戦連続しての馬券圏内。このクラスであれば、今後も注目だ。

3着・レコンダイトも13番人気の人気薄での激走。中団のインコース9番手を追走しての競馬だったが、直線で外に持ち出されると、この馬も最後までよく脚を伸ばしていた。2000メートルは全6勝中3勝を挙げている相性の良い距離。今後も中距離のOP~G3クラスであれば上位争いを期待したい。

この日の競馬は、前半のペースがかなり緩かったこともあり、道中6番手以内の先行グループが3頭掲示板に残り、後ろの組には少し苦しい流れだった。その中で、後方11番手からレースを進めた、5歳牝馬のバウンスシャッセの5着はお見事。55.5キロと決して牝馬としては楽ではない斤量を背負っての好走だから、次走に期待。

上位人気の、クルーガーとヒストリカルは、6着と9着という結果に終わった。5着のバウンスシャッセよりも後方の位置取りで終始、外々を回らされた距離ロスも大きかった。展開が向けば、まだまだ次走でも注目してみたい。最後まで、この2頭は伸びていた。

3番人気10着のブライトエンブレムは57キロの斤量を背負っていたにしても少し不可解な惨敗。今回は斤量のこともあるから、次走、もう一度見てみたい馬だ。ハンデ戦らしい、ゴール前を見せてくれた出走馬にお見事でしたと言いたくなるような今年の中日新聞杯であった。