【オークス2025予想】エンブロイダリーは2400mもつのか?試金石の一戦

牝馬クラシック第一弾の桜花賞を制したエンブロイダリー。前走は内からエリカエクスプレス、外からナムラクララやクリノメイといった先行馬が飛び出す展開の中、2走前のクイーンCとは打って変わって今回は控えて中団を追走。内をロスなく立ち回り、直線では外へ持ち出すと鋭く長い末脚を発揮。後続の追撃を封じ込めての快勝だった。道悪にも対応し、地力で優った感が強く、馬場の良い外へ持ち出したマジックマン・モレイラ騎手の手綱さばきも光った一戦であった。

次走となるオークスでは、クイーンCでコンビを組んだルメール騎手が再び騎乗予定。東京コースへの適性と自在な脚質を武器に、牝馬二冠制覇を狙う。能力は申し分なく、人気の一角を形成するのは確実だが、課題は2400mという距離への対応。マイル戦を主戦場としてきた同馬にとっては未知の領域であり、1800m勝ちの実績があるとはいえ、大幅な距離延長がどう影響するかは懸念材料となる。

血統面を見ても、父はマイルG1・3勝のアドマイヤマーズ、母ロッテンマイヤーもスプリントからマイルが主戦場としており、母父クロフネと、全体的に短距離寄りの血統構成だ。今週は週中から週末にかけて雨予報が出ており、道悪が濃厚。馬場悪化によりスタミナがより求められる展開となれば、中距離向きの他馬に有利となる可能性も高い。

とはいえ、今年のオークスは距離に一抹の不安を抱える馬が多く、突出した中距離巧者は見当たらない。エンブロイダリーは能力の高さ、東京コースへの適性、そして信頼度の高い鞍上と三拍子が揃っており、不安を差し引いても上位争いは可能と見る。2400mという距離が最大の試練となるが、その壁を乗り越えられるかどうかが、二冠達成のカギを握ることになりそうだ。