【安田記念2025予想】休養&凡走明けでも問題なし?4歳世代の旗頭ジャンタルマンタル
前走の香港マイルで13着に敗れたジャンタルマンタルが、再起をかけて安田記念に出走する。
これまでのキャリアではすべて馬券圏内に入り、朝日杯フューチュリティSとNHKマイルCのG1を2勝。実績・安定感ともに上位の存在だったが、香港マイルで初めて二桁着順に沈んだ。レースでは道中、好位の3番手を追走し、ヴォイッジバブルのすぐ外という絶好のポジションに見えたが、直線で他馬と接触し大きく失速。不完全燃焼の敗戦だった。
この一戦には背景がある。秋に熱発で富士Sを回避し、そこから7カ月ぶりの実戦が海外遠征という厳しい条件下。経験の浅い3歳馬にとっては明らかに過酷なローテーションであり、敗因もはっきりしている。
実力は現4歳世代の中でも明確に上位に位置する。NHKマイルCでは、展開に恵まれたわけでもないなかでアスコリピチェーノやウォーターリヒトといった強豪を0秒4差で退けている。さらに皐月賞では、ハイペースを先行しつつも勝ち馬ジャスティンミラノと0秒1差の3着に好走。これまでに対戦してきたメンバーを見れば、世代トップ級の力は証明済みだ。
ただし今回は、海外遠征明けで長期休養明け。加えて今年の安田記念は上昇気配の7歳馬ソウルラッシュを筆頭に、ベテラン勢の勢いが目立つ。近10年のデータでは、7歳以上は【0-1-1-24】と不振だが、それを覆しそうな例外的存在が台頭している。一方、4歳馬は【5-3-2-30】と好成績で、世代的な強さが示されているのも事実。凡走明けのジャンタルマンタルやシックスペンスにとっては、自らの価値を再証明する重要な一戦となる。
とはいえ、ジャンタルマンタルの調整は順調だ。1週前追い切りでは栗東CWコースで6F81.5―1F10.5という自己ベストを記録し、好調ぶりをアピール。復調の気配を強く感じさせる内容だった。気がかりなのは、スローペースになりすぎた際の折り合い面だが、瞬発力勝負にも対応可能なタイプであり、ある程度ペースが流れるようならこの馬から狙うのがセオリーだ。
安田記念は例年、世代交代を感じさせる舞台だが、今年はベテランと若武者の実力が拮抗した構図。ジャンタルマンタルにとっては、今後を占うターニングポイントとなる一戦。ここで真価を発揮し、再びマイル王戦線の中心へ返り咲けるか、その走りに注目が集まる。