【JRAチューリップ賞2025予想】上昇度魅力のノクナレア、伏兵から主役へ

今週から開幕する阪神競馬場で桜花賞トライアルの「チューリップ賞」が開催。これまでにも数多くの桜花賞馬やクラシック戦線で活躍する馬を輩出してきた注目の一戦で今年も将来のスター候補が登場するか期待がかかります。
そんな中で特に注目しているのが、ミッキーアイル産駒のノクナレアです。
ノクナレアは新馬戦を勝利した後、2戦目の白梅賞で4着に入線。今回が初の重賞挑戦となりますが、レースを重ねるごとに調教の内容が向上しており、さらなる上積みが期待されます。
今回のメンバーを見渡すと、重賞勝ち馬は1頭もおらず、実績馬といえるのは阪神ジュベナイルフィリーズ2着のビップデイジー、同5着のスリールミニョン、アルテミスステークス5着のマイエレメント程度。2勝以上を挙げている馬も4頭のみと、例年と比較してやや手薄な印象を受けます。また、今開催が阪神競馬場の開幕週であるため、今回の出走馬の中に阪神コース経験馬がいないことも、予想を難しくしている要因のひとつです。
ノクナレアのデビュー戦では、14頭立ての9番人気と評価は低めでした。しかし、実は血統的には優秀で、姉には2019年のマーメイドステークスを制したサラスと、2021年の同レースを勝ったシャムロックヒルがいます。それにもかかわらず低評価だったのは、調教で目立つ時計を出していなかったためと考えられます。坂路での時計は53秒台、ラスト1ハロンは12秒半ばと決して速くはありませんでした。
ところがレースでは中団から鋭い末脚を繰り出し、2着馬に2馬身差をつける快勝。その後の白梅賞では、8頭立ての4番人気で4着という結果でしたが、調教では坂路で51秒台をマークし、一段上の成長を見せていました。ただし、この時点ではウッドチップでの調教時計は目立っていませんでした。
そして迎えた今回のチューリップ賞では、調教内容がさらに大きく向上。ウッドチップでの調教を本格的に取り入れ、2週連続で好時計を記録しました。特に注目すべきはラスト1ハロンのタイムで、先週は11秒フラット、今週は11秒1と、格段に速い時計を叩き出しています。全体の時計こそ控えめですが、これは気性面の課題を考慮してのものであり、ラストの伸びを見る限り、成長の度合いは非常に大きいといえるでしょう。
こうした背景から、今年のチューリップ賞は実力伯仲のメンバーの中で、急成長を遂げているノクナレアが注目の存在となります。阪神の重賞を制した姉2頭と同じく、阪神コースでの好走が期待される血統背景も強みです。ここで重賞制覇を果たし、桜花賞候補として名乗りを上げることを期待しながら、彼女の走りを応援したいと思います。