【チューリップ賞2025予想】ビップデイジー主役も、阪神JF・2着の実力は本物か?

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桜花賞トライアル「チューリップ賞」がいよいよ開催される。今年もクラシック路線を占ううえで重要な一戦となるが、その主役として注目されるのが、阪神JF・2着から参戦するビップデイジーだ。

436kgと小柄ながら、持ち味の末脚はパワフル。前走の阪神JFでは後方で脚を溜め、直線で進路を探しながら外に持ち出し、勝ち馬と並ぶように伸びて2着に好走した。800m通過46.5-46.9とイーブンペースながら、後半が下り坂の京都コースだったことを考えると、やや時計がかかったレース展開。それでも確実に脚を伸ばした点は評価できる。

デビュー戦の中京マイルでは上がり最速35秒0、続く紫菊賞では33秒3と、鋭い末脚を繰り出しており、軽い馬場・タフな馬場を問わず安定した末脚を発揮できるのは強みだ。加えて、直線での反応の良さや、進路取りの巧さからも、レースセンスの高さがうかがえる。3歳春のこの時期にしては完成度の高い1頭であると言える。

しかし、不安材料としてはその脚質が挙げられる。開幕週の阪神芝は前残り傾向が強く、差し馬にとっては展開の助けが必要になる可能性がある。今年のチューリップ賞は改装後の阪神競馬場で行われるため、これまでの傾向が通用するかは未知数だ。加えて、例年なら阪神JF組が順調にチューリップ賞、桜花賞と駒を進めるパターンが一般的だが、今年の阪神JFは京都開催だったため、例年とは条件が異なる点も注意が必要だ。実際、阪神JF組のその後の成績が振るわないことも気がかりな要素である。

さらに、ビップデイジーは既に賞金的に足りているため、ここは“叩き”の一戦と考えられる。陣営としては「阪神を経験させたい」という意図もあるだろうし、仕上げも前哨戦仕様の可能性が高い。一方で、賞金加算を狙うメンバーも多く、前哨戦仕上げで挑んでくるライバルたちと比較すると、勝負度合いはやや低めと見るべきか。加えて、ラストウィークの調教師管理馬が出走している点も考慮すれば、陣営の本気度という観点では優先度が下がるかもしれない。

当然ながら、これまでの実績やパフォーマンスから人気を集めることは間違いない。しかし、ここで勝ち切れるほどメンバーは甘くなく、試走モードで臨む可能性がある以上、取捨選択には慎重さが求められる一戦となりそうだ。