【ダービー卿CT予想2025】トレンドは「内枠」✕「先行力」✕「勢い」!

マイルのハンデ重賞「ダービー卿チャレンジトロフィー」は、1番人気がとにかく勝てない難解な一戦。過去10年で1番人気の成績は【1-1-1-7】と惨憺たるもので、昨年も馬券圏外に敗れている。では軽ハンデの伏兵が台頭しているのかといえば、実はそうでもない。昨年の上位馬は揃って57kgの斤量を背負っており、軽量馬が恩恵を最大限活かせるレースではない。むしろハンデ56kg以上の馬が好走する傾向が強く、軸にするならその条件をクリアした馬に絞りたい。
臨戦過程では、東京新聞杯組が【2-2-3-25】、東風ステークス組が【2-2-3-17】と信頼度が高く、その他では中山芝のマイル前後を使った馬も好走例が多い。特に前走で期待外れの結果に終わった馬が、ここで一変するケースが目立つ点も見逃せない。前走の人気や着順にとらわれすぎず、巻き返しに期待できる素質馬を拾いたい。
注目すべきは「ここでの人気」だ。過去10年の勝ち馬のうち9頭が5番人気以内に支持されており、基本的には上位人気馬から勝ち馬を探すべきだ。6番人気以下となると、連対の可能性は低く、あくまで“相手”として押さえるべき存在となる。
年齢面では、近年は4歳馬が4勝、5歳馬が5勝を挙げており、若く勢いのある馬が好走する傾向が顕著。キャリアよりもフレッシュさと近走の充実度を優先すべきだ。
枠順の傾向も明確で、過去10年の勝ち馬はすべて5枠以内に入っていた。特に内目の枠から好位を取れる馬が有利で、外枠はそれだけで減点材料となる。脚質的には差し馬が【5-4-8-44】と最多勝利を挙げているが、昨年のように先行勢が残ることもあり、展開によってはどの脚質にもチャンスがある。ただし、極端な追い込みは届きにくく、中団から捌けるタイプが理想だ。
有力馬を見ていこう。
エコロブルームは、昨年のニュージーランドT勝利以来、約1年ぶりの復帰戦。骨折明けとあって本調子には疑問符がつくが、中山マイルでの強さは折り紙付き。叩き良化型の可能性はあるものの、地力は上位で、いきなり好走しても不思議はない。
トロヴァトーレはニューイヤーS勝ちからの参戦で、中山芝1600mで【4-0-0-1】という抜群の相性を誇る。安定して前につける脚質に加え、内枠の2枠2番を引いたことで絶好の条件が整った。メンバー構成的にもここは力が通用する一戦だ。
キープカルムは東風Sで人気を裏切る9着に敗れたが、本来の走りができれば巻き返しは十分。中山マイルでは好走歴があり、ハンデも56kgなら見限れない。鞍上にシュタルケ騎手を迎え、ひと押しが効く可能性はある。
アサカラキングは、阪急杯で2戦連続2着と好内容を続けており、スプリント戦線で鍛えられたスピードが武器。今回は最内1枠1番から逃げの手に出れば、粘り込む可能性も。展開次第ではそのまま押し切る場面も想定できる。
そして伏兵の1頭がノーブルロジャー。昨年のシンザン記念ではエコロブルームを撃破しており、地味ながら実力は確か。2走前のニューイヤーSでも3着と健闘しており、二の脚が速いため、逃げても面白い存在。激走の可能性は十分にある。
このように、ダービー卿チャレンジトロフィーは一筋縄ではいかないハンデ戦だが、過去の傾向や臨戦過程、枠順・斤量などのファクターを丁寧に読み解けば、浮かび上がる馬は確実にいる。各馬の背景と戦績を整理しながら、今年も混戦を読み解く妙味ある一戦となりそうだ。