【日本ダービー2022】イクイノックス、皐月賞2着の敗因は何か?ダービーで真価問われる

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東京スポーツ杯2歳Sを、上がり3F32秒9という圧巻の切れ味で快勝したイクイノックス。一躍ダービーの主役候補に躍り出た。

大きな勝因の一つは“展開”。レース前半は比較的ゆったりとした流れだったが、途中で後方にいたアルナシームが掛かって前に行ってしまったことで、後半一気にペースアップ。先行勢が坂で脚を使い切る展開となり、流れは後方で脚を溜めていたイクイノックスに完全に味方したと言えよう。それでもタフな流れを乗り切って抜け出してから最後の200mで再加速し、上がり2位の馬に0秒6差も付ける切れ味を見せての快勝は、流石としか言いようがない。

ダービーは上りタイムの速い馬が好走するのは、過去の傾向を見ても明らか。同レースで見せた切れ味は、クラシックでの活躍を約束させるモノであったと言って良いだろう。

皐月賞2着の敗因は?

さて、問題は前走皐月賞の2着だ。長期休養明けで、道中掛かる場面もありながらの2着なら「負けて強し」という見方も出来るだろう。ただ、明確な敗因が不明であるところがダービー予想においてややネックとなる。

考えられる敗因は様々だ。「長期休養明け」という点がまず一つ。道中掛かって前に出てしまい、ジオグリフにマークされて交わされてしまったわけだが、もともと折り合いには難のないタイプと評されていた馬だけに、掛かった理由は久々だったとも考えられる。最後の直線で止まってしまったのは、掛かってしまったことが大きいと見ているファンも多いハズ。坂で止まったのは掛かってしまったから、すなわち長期休養明けだったことがそもそもの敗因であるという見方だ。

ただ、掛かった理由についても様々な理由が考えられる。久々という点もそうだが、もう一つは「大外枠であった」という点だ。8枠18番と大外からのスタートとなったことで、前に馬を置くことが出来なかった。鞍上のルメール騎手もレース後に「外枠からで壁を作れず、我慢させるのに苦労した」とコメントしている。であれば「大外枠」が大きな敗因であったとも言えよう。

次に「中山コースの相性」。キタサンブラック産駒は中山では不振という特徴があり、同馬にもこれが当てはまったのではないかという見方だ。当然皐月賞前からこの点は囁かれていた。中山の急坂では止まるが、東京の長くて緩い坂では伸びるというのも、同産駒の特徴でもある。「皐月賞よりもダービー向き」と見ていたファンも少なくないだろう。この産駒の特徴が当てはまっての2着なら、逆にダービーでは巻き返してくる可能性は高そうだ。

「長期休養明け」「大外枠」「中山適性」など、考えられる敗因を挙げてきたが、そもそも距離が長すぎるというということも十分あり得る。不安要素について考えればキリがないが、プラスの面も当然ある。叩き2戦目となる今回は上積みの期待も十分。また、産駒の特徴が当てはまるなら東京替わりがプラスに働く可能性は高い。あとは極端な枠に入りさえしなければ、前走の敗因が明確でなくても高い信頼度を持って買って良い1頭となる。

ダービーを勝って巻き返しを果たすのか?それとも案外な結果に終わってしまうのか?何れにせよ、今回は己の真価が問われる一戦となりそうだ。