【エリザベス女王杯2018予想】近年はスローペース傾向、狙いたい先行馬は?

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近年のエリザベス女王杯のラップを見てみると、ややスローや明確にスローで上がり4Fが速いというレースが多く、スローペース傾向が強い。昨年も明確にスローだったが、その恩恵を受けて前々から粘り込んで9番人気のクロコスミアが2着に入線し、波乱を演じた。

スローペースなら「前残り」が発生しやすくなる印象があるが、エリザベス女王杯の過去10年の脚質の傾向を見てみると、「差し馬」が7勝しており(7-3-7-58)、「先行馬」が2勝(2-7-1-28)と差しの方が決まっている。しかし、先行馬も2着が7回あり、連対率は先行馬の方が高い。スローペース傾向ならやはり前で強い競馬ができる馬は注意しておきたいところだ。

ということで、今回は先行力のある馬を2頭紹介したい。

レッドジェノヴァ(牝4、小島茂之厩舎)

昨年の同時期までは500万条件下をウロチョロしていたが、前走の京都大賞典での好走で一気に上位人気に推される程注目されるようになった。レースでは古馬トップクラスのサトノダイヤモンドと0.1秒差の2着と、牝馬相手なら十分GIを勝てる可能性を示したと言っていいだろう。今回のエリザベス女王杯でも上位人気に推される可能性が高い1頭だ。

ゲートも安定しており今回のメンバーでもある程度前目で競馬ができそうだ。比較的どんなペースにも対応出来る柔軟性があるが、前走や2走前のWASJのようにスローでの好走が目立つ。

重賞出走は前走が初めてで、当面の課題は一線級との対戦経験の少なさと言えそうだ。多頭数の経験はこれまでもあるが、条件戦とG1の多頭数では当然違いもあり、揉まれたり道中の激しい動きに戸惑う部分があるかもしれない。

ただし、少頭数とは言え京都大賞典で牡馬一線級相手に4コーナーで揉まれつつ、巻き返した精神力を見る限り、大きく心配する必要はないように思える。

血統面では、父シンボリクリスエスに母父ホワイトマズルと、距離は伸びるほど期待出来そうな血統だ。更に、これまでの距離実績でも2600mの勝利もあり、京都大賞典も2400mという距離故、エリザベス女王杯の2200mは全く心配ないだろう。鞍上はここ一番に強い池添騎手を配し、総合的にも一発の可能性は十分秘めているはずだ。

クロコスミア(牝5、西浦勝一厩舎)

これまで24戦もして来ている経験豊富な古馬牝馬だ。3歳の秋以降はほぼ逃げか、下げても3番手以内の「番手」の競馬がほとんどで、昨年はエリザベス女王杯の前哨戦である府中牝馬Sで勝利し、本番でも番手から進めて人気薄(9番人気)ながら、勝利したモズカッチャンの2着(タイム差なしのクビ差)に粘った。そういう点では、実績面でも今回の出走馬の中では上位クラスと言えるだろう。

ただ、今年は昨年程の勢いに欠け、府中牝馬Sでも0.5秒差の5着と、必ずしも順調とは言い難い側面がある。そこをどう見るかがキーポイントになってくるはずだ。

はっきりと前々での競馬になるクロコスミアにとって、スロー傾向にあるエリザベス女王杯の舞台は有利に働くことも考えられる。昨年同様に前々から押し切って耐え粘る競馬が出来れば、近走から勝利の可能性は低くても、馬券圏内は十分あっておかしくない。鞍上はこれまでも何度も乗ってきた岩田騎手というのも心強い限りだ。リピーターの活躍も多い一戦なだけに注目したい1頭だ。