福永騎手、ドバイを勝っていても「世界には通用しない騎手」と評価されるワケは?

2月28日に開催された第90回中山記念で3着に入着したリアルスティールが、R.ムーア騎手との新コンビで3月26日にアラブ首長国連邦・ドバイのメイダン競馬場で行われるドバイターフ(G1、芝1800m)に向かうことが明らかになった。

リアルスティールを管理する矢作厩舎の矢作調教師は、3日に正式にドバイターフの招待を受諾した。主戦騎手であった福永祐一騎手からR.ムーア騎手への乗り替わりに関しては「祐一君には申し訳ないが、世界のスペシャルな舞台だから、非情な決断をさせてもらいました。」とコメントした。

ドバイを勝っている実績はあるが、それでも「世界には通用しない騎手」と評価されるワケは?

ドバイデューティフリーをジャスタウェイで優勝した経験がある福永騎手を相手に「世界が舞台だから」という理由で騎手を替えるのだから、矢作師による福永騎手の評価は相当に低いのだろう。実際にドバイでのジャスタウェイの勝ち方も、騎手の好騎乗というよりは馬の能力の素晴らしさが際立ったレースであった。事実、勝利後の馬上インタビューでは本人さえも英語でこうコメントしている。

Thank you very much. Amazing, I just ride him.
(ありがとうございます。すごいです、私はただ彼に乗る。)

おそらく「ただ乗っていただけです」という意味で言ったのだと思うが、こういった場合は「ride(乗る)」ではなく「rode(乗った)」としなければならない。さらに付け加えるなら、「I was just sitting astride.(私はただまたがっていただけです。)」 や「the HORSE won the race, not me.(勝ったのは馬です。私ではありません。)」という言い回しの方がより意味が伝わりやすいだろう。いずれにせよ勝利者のインタビューとしては非常に心許ないコメントであり、こう言われては負けた騎手もやりきれないだろう。

さて、話をリアルスティールに戻すが、近戦の成績を見る限りではこの乗り替わりにも納得せざるを得ない。前走の中山記念ではライバルのドゥラメンテに一度も並びかけることなくゴール。さらに同じ4歳馬で同じディープインパクト産駒のアンビシャスにも差され、3着という結果に終わった。

レース後のジョッキーインタビューでは「本当はドゥラメンテの位置で競馬したかった。」とコメント。道中は常にドゥラメンテのすぐ後ろで様子を見ており消極的な競馬だっただけに、このコメント後に憤りをあらわにするファンも会場にはチラホラと・・・。昨年の落馬での骨折から復帰してまだ間もないが、やはり安定感だけは健在で、馬を必ず馬券圏内に持ってくるという意味では馬主孝行な騎手なのかもしれない。

しかし、馬主孝行なことや安定感があることだけでは世界には通用しない。今年リーディングを走っている調教師の矢作師による辛口なコメントが、それを雄弁に物語っているのではないだろうか。