国内外で活躍したハットトリック、ブラジルのけい養先で死亡

2005年のマイルCS(G1)と香港マイル(G1)を勝ち、同年のJRA最優秀短距離馬に輝いたサンデーサイレンス産駒のハットトリックが3日、けい養先であるブラジルのスプリングフィールド牧場で種付け後に急死したことが明らかになった。南米の競馬メディア「turf diario」が報じた。19歳だった。

ハットトリックは2004年に東京でデビュー。2005年の京都金杯(G3)を制し重賞初制覇を果たすと、続く東京新聞杯(G3)も制し、重賞2連勝を果たした。同年のマイルCS(G1)を優勝しG1初制覇を達成すると、海外初遠征となった香港マイル(G1)も快勝し、国内外G1・2勝を果たした。

その後は結果を残せず2007年のマイラーズC(G2)6着を最後に引退し、米国と南半球を半年ごとに行き来するシャトル種牡馬として活躍した。2017年からはブラジルに移動し、スプリングフィールド牧場とサンタ・リタ・ダ・セーラ牧場で、シャトル種牡馬として繋養されていた。今年は8月から今年度の南半球での繁殖シーズンをスタートさせたばかりだった。

現地の南米では、イタリアのグランクリテリウム(G1)や英国のクラシック三冠のうちの一冠である2000ギニーステークス(G1)などを優勝したハットプンターノを輩出するなど、南米でも種牡馬として活躍した。

代表産駒のダビルシムは、ハットトリックの初年度産駒で、米国で種牡馬となった際の産駒だ。同馬は2011年にフランスG1のモルニ賞(G1)とジャン・リュック・ラガルデール賞(G1)を優勝し、2歳にしてフランス年度代表馬に選出された。

サンデーサイレンス産駒のG1馬のうち種牡馬となったのは28頭いるが、ハットトリックは海外で種牡馬となった唯一の馬であった。現役時代は日本国内での活躍で人気を集めたが、引退後は米国や南米で種牡馬としても活躍し、世界各地でその名を知らしめた。ハットトリック号のご冥福をお祈りします。