【ばんえい競馬】出走予定馬がレース前日に出産

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北海道帯広市が主催するばんえい競馬で17日、現役の出走馬が出産したため出走取り消しとなる珍事が起きた。

出産したのは3歳牝馬のタケノセーイコー。17日の1Rに出走予定だったが、前日に調教の準備をしていた厩務員が馬房にいる子馬を発見し、同馬が出産していたことが判明。17日の出走は取り消しとなった。

タケノセーイコーは今年5月に入厩し今月3日にデビュー戦を迎えたが、体重958キロで障害を越えられず競走を中止していた。

ばんえい振興課によると、生まれた日から逆算すると馬主の牧場にいた昨年9月頃に交配があったものと思われということで、父親不明のまま受胎していたことになる。

獣医師の話では、初産だとお乳の張りも目立たず、妊娠の兆候をつかむのは難しいという。また、馬体重が1トン近くあるばんえい競馬の競走馬は馬格が大きく、見た目で妊娠していることが分かりにくいことも、妊娠の発覚に気付かなかった要因の一つと考えられる。

厩舎で出産したケースはばんえい競馬では初となるが、過去には地方競馬の競走馬で現役中に厩舎内で出産をしたケースもある。1999年4月に船橋競馬場・宮園厩舎の馬房で4歳牝馬のカズノコマチが、芦毛の牝馬を出産した。出産当日まで調教が行われており、この4日後にはレースにも出走予定だった。

中央競馬では1978年3月に、田中和厩舎に所属する当時4歳牝馬だったモリケイが、東京競馬場の馬房の中で子供を出産したケースがある。前年の7月にデビューし、仔馬の出産までに8戦して3勝、2着2回という成績を挙げ、秋には重賞のクイーンSでも5着に健闘するなど、仔馬を宿しながらにして好成績を挙げている。

いずれの仔馬も父が分からず血統証明ができないため競走馬にはなれず、タケノセーイコーの子供についても父が不明のためデビューする可能性は無いと思われるが、レースや調教中に怪我などトラブルが無かったのは幸いだ。母子ともに健康に過ごしていることを切に願う。